第八十八話 主その十三
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「実際にな」
「世紀末になるね」
綾乃も言った。
「今言うたみたいな世界になるね」
「そやな」
中里も確かにと頷いた。
「暴力が支配するな」
「最悪の世界やね」
「そうなってな」
そうしてというのだ。
「そんなアホこそや」
「真っ先に殺されるな」
「その時どうせ自分だけは助かろうとしてな」
そうしてというのだ。
「必死に泣き叫んで命乞いしてな」
「家族でも誰でも自分の代わりに殺せとか言うな」
「そうするな、そんなアホはどうなってもええが」
「多くのまともな人達の為にな」
「法は必要や、悪人を抑えて裁いてや」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「善人が幸せに暮らせる」
「そうする為のものでな」
「人の世には必要やな」
「絶対にな」
まさにというのだ。
「そやからな」
「十星連合にもあってな」
「悪人を厳しく取り締まってな」
「成敗してるな」
「それでこれからもや」
十星連合ではというのだ。
「法治でいくで」
「そうせんとな」
「大勢の善人が困るわ」
「それで死刑もあるわ」
「ああ、外道に下すな」
「それがあるわ」
こう話してだった。
一行は先に進みキリストの前に出た、見ればキリストは一行が話していた髭のない美青年の姿でそこにいた。
そしてだ、こう言ったのだった。
「実はお顔を変えられまして」
「今はお髭がなくてもですか」
「生やすことも出来て」
綾乃に笑顔で話した。
「十字架にある様な」
「そうしたお顔にもなれますか」
「そして本来のものと言われる」
そうしたというのだ。
「岩の様なお顔にもです」
「なれますか」
「そうです、ですが今はです」
その整った顔で言うのだった。
「この様にしました」
「そうなんですね」
「この世界ではこの顔で描かれることが最も多いので」
「それで、ですか」
「この顔にしています」
「そうなんですね」
「ただ私は私です」
キリストはこのことは断った。
「変わりません」
「ほな戦の時も」
「はい」
まさにというのだ。
「同じです」
「そうなんですね」
「失楽園に書かれている様な」
「そうした戦をされますか」
「そうです、では」
「これからですね」
「戦をしましょう」
「お願いします」
綾乃は確かな声で応えた、そして仲間達と共に散開し陣を敷いた。そのうえでキリストそれに彼と共にいる神霊達との戦に入った。
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