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ハッピークローバー
第百四十八話 本物その九

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「やってね」
「そうさせてもらうわね、しかし日本って妖怪は怖くなくても」
 ケニアの娘はここで真面目な顔になって富美子に話した。
「幽霊は怖いからね」
「怨霊になると特にね」
「だから幽霊がまず来るわね」
「妖怪よりもね」
「そうね、しかし」
 ここでケニアの娘はこうも言った、その顔はかなり真剣に考えるものであり富美子もその顔をしっかりと見ている。
「その人の性格が出てるのよね」
「魂は同じだからね」
「人間と幽霊の違いってね」
「身体のあるなしで」
「それ位の違いで」
「だからね」 
 富美子はそれでと話した。
「その人が性格悪いと」
「幽霊も性格悪いわね」
「そう、もうどうしようもない人が幽霊になったら」
「どうしようもないのね」
「ええ、ただね」
 富美子はケニアの娘に話した。
「あんまり卑しいと幽霊にもね」
「ならないのね」
「人の底をぶち抜いて」
 最低と言われるそれをというのだ。
「さらに堕ちたら」
「人でなくなったら」
「餓鬼にまでなったらね」
 そうなればというのだ。
「もうね」
「餓鬼になるのね」
「死んでもね」
「身体がなくなっても」
「餓鬼道に転生して」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「餓鬼になって」
「そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「餓鬼道で生きるのよ」
「餓鬼ってあれよね」 
 ケニアの娘はこの存在の話を聞いて富美子に言った。
「いつも餓えていて喉も渇いていて」
「苦しいのよ」
「お腹の中に寄生虫も一杯いて爆発とか怒って」
「そしてね」
 それでとだ、富美子も話した。
「いつも苦しんでいるのよ」
「そうよね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「そんな状況でも死なないから」
『死ぬより苦しいのに」
「だから餓鬼にはなるなってね」 
 その様にというのだ。
「言われるのよ」
「そうなのね」
「そう、人間でいるなら」
 それならというのだ。
「いいのよ、これがね」
「卑しくなって」
「餓鬼になったらね」 
 その時はというのだ。
「おしまいだってね」
「言われるのね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
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