第百四十八話 本物その八
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「本当にね」
「妖怪さん達が来ても」
「驚かないで」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「やっていってね」
「最後までやるのね」
「もうそんなの気にしたら」
妖怪が来ることをというのだ。
「この学校にいられるか」
「いられないわね」
一華もそれはと返した。
「もうね」
「そうでしょ」
「ええ、だからこの学校はね」
「世界屈指の心霊スポットでね」
「妖怪のお話も多いから」
「実際に見た人多いし」
「だったらね」
それならというのだ。
「妖怪さんが来てもね」
「是非見て」
「それでいいわね」
「そうよね」
こうした話をした、そしてだった。
一華は役の時間が終わると幽霊の衣装を脱いだ、すると次に幽霊になるケニアの息子はその衣装を着て言った。
「黒人もいいのね」
「いいのよ」
富美子が答えた。
「日本の幽霊になってもね」
「うらめしやって言っても」
「人種のことはよ」
それこそというのだ。
「言わないことよ」
「最初から」
「そう、というか法律にないでしょ」
「黒人が日本の幽霊の滑降するなとか」
「書いてないでしょ」
「全くね、校則でもね」
ケニアの娘はこちらの話もした。
「ないわ」
「だったらいいのよ、誰が幽霊になってもね」
「いいのね」
「何なら男の子でもよ」
富美子は笑ってこうも言った。
「いいのよ」
「男の娘?」
「いや、男の人も幽霊は服同じだから」
それでというのだ。
「その場合もね」
「いいのね」
「そうよ」
その通りだというのだ。
「別にね」
「幽霊は誰がなってもいいのね」
「誰だって死んだらなるでしょ」
「幽霊に」
「だからね」
それでというのだ。
「あんたもね」
「幽霊になっていいのね」
「そう、頑張ってね」
「それじゃあね、やるわね」
「楽しんでね」
富美子は笑ってだ、ケニアの娘にこうも言った。
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