第三百七十話 後輩であり友人でありその一
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第三百七十話 後輩であり友人であり
アレンカールはブラジリアのアマードとの会談の準備を進めていた、リサールの方も会談に乗り気でそれでだった。
会談の話は順調に進みアレンカールはブラジリアに赴くことになっていた、その準備をする中でだった。
ある若い鰐人の女の官吏がアレンカールに言って来た。
「アマード様との会談は楽しみですか」
「凄くね」
アレンカールは会議を終えて自身の執務室に戻る中で官吏に答えた。
「楽しみよ」
「そうなのですね」
「外の世界では同じブラジル人としてね」
それでというのだ。
「よく寮でも一緒にいるしね」
「お友達ですか」
「あたいが先輩、あの子が後輩でね」
その関係であると共にというのだ。
「それでお友達でもあるのよ」
「そうですか」
「外の世界じゃ色々な言語があるけれど」
官吏にこのことも話した。
「同じ言語でね」
「やり取りも出来るので」
「尚更ね」
「仲がいいですか」
「いい子よ」
アレンカールはアマードのことを笑顔で話した。
「とてもね。努力家で真面目でね」
「そうした方ですか」
「こちらの世界でもそれで評判でしょ」
「はい、確かに」
官吏はその通りだと答えた。
「あの方は」
「ええ、けど引っ込み思案でね」
アマードのそうした気質も話した。
「自信がないのよ」
「そうした面もおありですか」
「そうなの、動きが鈍いと気にしているしね」
「そうですか」
「まあ確かに相撲部でね」
起きた世界での部活はというのだ。
「スピードタイプやないけど」
「そこはアレンカール様とは違いますね」
カポエラのトリッキーかつスポーティーな格闘スタイルの彼とはというのだ、当然足技が得意である。
「そうですね」
「ええ、けどね」
「お強いですね」
「起きた世界でもね」
そちらでもというのだ。
「充分過ぎるまでにね」
「お強いですか」
「立派な力士よ、気は優しくて力持ち」
「そうした方ですか」
「しかも学業も出来ているから」
こちらもというのだ。
「言うことなしよ、農業科のホープなのよ」
「起きられた世界では」
「そうなの、そやからね」
だからだというのだ。
「あたいとしてもね」
「こちらの世界でも一緒になれば」
「有り難いわ、そうなる為にね」
「会談をされて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
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