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博士の挑戦状
第百九十六話

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                第百九十六話  昔と比べると
 博士は自らプレイステーション5のゲームをプレイしつつ小田切君に話した、プレイしているのはゾンビゲームだった。
「ファミリーコンピューターでは一画面であった」
「そこから動かないですね」
「全くな」
 それこそというのだ。
「その画面の中でじゃ」
「プレイしていたんですね」
「そうであった、敵も多くて三種類でじゃ」
「やっていましたか」
「そうであった」
「そうですか」
「今と全く違う」
 ポリゴンで映画の様に動くゲームをプレイしつつ言うのだった、その精巧さはさながら映画の様である。
「まことにな、もっと言えばゲームウォッチはな」
「もっと、ですね」
「今見ると何でもないものだった」
「ゲームウォッチは名前だけ聞いています」
 小田切君は詳しく知らなかった。
「見たことはないです」
「そうであるか、そちらはファミリーコンピューター以上にな」
「技術的に低かったですか」
「うむ、しかしな」
 それでもというのだ。
「当時はじゃ」
「これ以上はないまでの技術だったんですね」
「そこにファミリーコンピューターが出てな」
 そうなりというのだ。
「革命の様な騒ぎになった」
「そうですか」
「セガやMSXも出たが」 
 それでもというのだ。
「ファミリーコンピューターはそれ以上にじゃ」
「革命的だったんですね」
「そうであったのじゃ」
「そうですか」
「たった一画面でもな」
「敵は三種類でも」
「音楽は一つでもな」
 そうであってもというのだ。
「当時はじゃ」
「革命的でしたか」
「これ以上は出ないとも思われた」
「それが今見るとですね」
「何でもない様なものじゃ」
「進化も進歩もですね」
「果てしないものじゃ」
「革命と思っても」
「まだ先があるのじゃ」 
 こう話すのだった、そして今度は同じ部屋にある別のテレビに少し細工をしてファミコンを備えさせて小田切君にプレイする様に話したのだった。


第百九十六話   完


                     2024・8・25
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