七十五匹目
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ら、今日のお昼は豪華ですねブーミ君」
「シラヌイを連れて行くと言ったらメイドがね」
「ふーん……それブーミ君メイドに嘗められてません?」
「本当の事を言ってやるなトゥルペ」
とアトラさんが笑う。
ちなみにアトラさんは急に視察に出ることになったのでお弁当を当然持ってなかった。
なのでサンドイッチを分けてあげた。
「実際僕は婿養子だし、シュリッセルのキッチンメイドの大半は僕より年上だからなぁ」
「そうなの?」
お父様の方を見る。
「うん。シュリッセルのメイドの一部はお母様が建国した時からの古参だよ。シェフと、キッチンメイドとかランドリーメイドとかの専門職の数人がそうだね」
「ん?エリザは?」
エリザはそこまで年いってなかったような?
「ああ、長命なメイドは全員シルキーでね。メイド長には絶対になりたがらないそうだよ。
だからメイド長は中堅のベテランが務めてるんだ」
「そうなんだ」
知らなかった。
メイドの中にやけに強そうなのが居ると思ったらそういうことか。
ご飯を食べつつ、周りを見渡し、他の団員の様子を見る。
あ、いいこと考えた。
師団の訓練を見学し、お父様と帰宅。
夕食の後、僕はキッチンに来ていた。
見学中に構築した魔法がある。
目の前にはメイドに用意してもらった野菜と川魚のスープ。
それを4M製の鉄皿によそう。
4Mで刻んだ術式は強度上昇だ。耐圧、耐熱、耐引掻きの効果がある。
構築した魔法を記した魔導メモを手にもつ。
これは魔導書の材料となる、魔法の発動補助体となる紙だ。
言ってしまえば製本されてない魔導書。
この紙だけでも結構なお値段だが、サニャトリウムや屋台の収入でガッポガポなので問題なし。
紙に魔力を流し、魔法の名を唱える。
「フリーズドライ」
発動すると、よそった物がカチコチに凍りついた。
開発した魔法はフリーズドライ。
一定空間内の物体を急速に冷凍し、同空間内の空気を抜きつつ、氷を昇華させる魔法。
分類的には中級の複合術式。
対象は物体ではなく空間。
急速に氷が昇華し、余計な水蒸気が結界外部に押し出され、白く凍る。
30秒程で水分が出なくなった。
「解除」
フリーズドライのエリアを解除する。
残されたのはカスカスの具とスープだった粉末。
「うーん。失敗…とまではいかんが」
魔法でつくったお湯を注ぎ、20秒ほど待つ。
スプーンで掬って食べてみる。
一応食感もある程度復元されてるが…。
全然食える味だが、結構劣化している。
一度アストラル
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