七十四匹目
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枚になった障壁。
それに対し、彼女は超加速で迫り、杖の尻を思い切り蹴った。
脚に魔力を集めて地面を割く。
開いたゲートに、重力に身を任せて落ちる
「うにゃぁ?」
アイテムボックスの応用で異空間に逃げる途中。
障壁を貫通した杖が、ぼひゅっと頭の上を抜けていった。
一拍遅れていたら死んでたかも。
「こっわ?」
閉じる異空間と現世のゲートの隙間から、砕け散る魔法障壁とナルツィッセさんのローブの内側が見えた。
「黒だと?」
ちょっと得した気分。
ってそんな場合じゃねぇ!
急いでゲートを閉じる。
異空間内で指に魔力を集め、ゲートオープンの用意をしつつ背部に魔法障壁で翼をつくる。
飛行機のような翼だ。
付け根には推進用の箱。
ジェットを発動させるためのスラスターだ。
ゲートオープンし、通常空間に出たと同時にジェットを発動。
ゴォっという音と共に急加速。
出た先はバトルコートの中心から上空20M。
音に反応したナルツィッセさんが上を見上げ、手のひらを向けてくる。
「破ッ?」
放った攻撃は単純な魔力弾。
しかも魔力放射のおまけ付き。
丸い魔力弾の後からマズルフラッシュのような魔力放射が追従している。
うん。ほぼ対空確殺コンボだな。
魔力弾で攻撃しつつ、魔力放射で相手の魔法を狂わせる。
飛行系魔法相手にはめっぽう強いだろうな。
こちらは魔力弾を避け、障壁で魔力波を遮断する。
すこし術式が影響されたが、バランスを崩すほどではなかった。
ジェットで機動戦を仕掛けるが、こちらの攻撃は当たらない。
あちらの攻撃は僕の障壁を破れない。
こちらが相手の攻撃にわざと押されて威力を受け流しているのもある。
直撃でかつ防げない攻撃はアイテムボックスの応用でゲートを開き相手に返すが、当然避けられる。
千日手になってきて、これ以上やると互いに相手に重傷を負わせかねないまでエスカレートした頃。
「そこまで!」
アトラさんが静止する。
「これ以上は”周り”の被害が洒落にならん」
よく見るとコートがボコボコだし、結構な人数が障壁を貼っている。
僕とナルツィッセさんの魔法攻撃の流れ弾だ。
それもたぶん方向的にだいたい僕のやつ。
僕が地上に降りるとトゥルペさんが迎えてくれた。
「お疲れ様でした」
「いえ、僕も思いっきり動けて楽しかったですよ」
「ふふ、そうですか。それはよかった」
アトラさんとナルツィッセさんは新人へお説教中みたい。
結構素直に聞いてるっぽい。
指輪を外し、アイテムボックスに放り込む。
場外に置いといた
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