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星河の覇皇
第八十七部第四章 首相官邸にてその十六

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「そこからね」
「その人のことを知り」
「謀略をね」
「仕掛けられますか」
「後々ね」
「そうでしたね」
「その時は仕掛けなくても」
 それでもというのだ。
「後で衝突する機会があれば」
「その時に使ってきますか」
「思わぬことをね、何度か仕掛けられて」
 そしてというのだ。
「その都度かわしてきたけれど後になってね」
「会食の時にお話したことがですね」
「仕掛けられる元だったとね」
「気付かれますか」
「ええ、本当に厄介な人よ」
 アッチャラーン、彼はというのだ。
「だからね」
「くれぐれもですね」
「あの人には注意してね」
「中央政府では特にですね」
「アラガル長官も手強いけれど」
「アッチャラーン首相もですね」
「インターネットでウィルスを仕込んで」
 そしてというのだ。
「密かに情報を仕入れたり拡散させて」
「相手政府を攻めることも」
「してくるから」 
 だからだというのだ。
「いいわね」
「そうしたこともしてきますか」
「ええ、油断のならない人よ」
「エウロパで最も」
「伊達に一つの政府の宰相ではないということよ」
「求められるだけの資質はおありですね」
「むしろそれ以上よ。では健闘を祈るわ」
 伊東はこうも言った。
「訪問の間ね」
「この太陽系において」
「お願いするわね」
「それでは、それと」
「それと、ですか」
「いいお店も知っているわ」
 今度はそちらの話をした。
「この前水星で見付けてきたのよ」
「どういったお店ですか」
「お好み焼き屋さんよ」
「お好み焼きですか」
「摂津風も安芸風もあるわ」
 どちらの星系のものもというのだ。
「それでね」
「どちらも楽しめますか」
「焼きそばも美味しいから」
 その店はというのだ。
「絶対に損はしないわ」
「それは何よりですね」
「貴女はお好み焼きも好きだったわね」
「はい」
 小柳は伊東に一言で答えた。
「実は」
「そうね、それではね」
「この度はですね」
「それを食べて」
 お好み焼き、摂津のものも安芸のものもというのだ。
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