第八十七部第四章 首相官邸にてその十五
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「アッチャラーン首相もね」
「はい、あの方は有名ですね」
小柳も応えた。
「謀略家として」
「中央政府きってのね」
「左様でしたね」
「元々内政や経済の人でね」
「そちらで辣腕を発揮されて世に出られましたね」
「タイにおいてね、そしてね」
「それと共に」
内政や経済での手腕と共にだ。
「あの人は謀略もね」
「使われてでしたね」
「タイ政府にいた時に他国への謀略を成功させてきて」
そうしてであったのだ。
「そちらでも名前が知られてね」
「今に至りますね」
「タイ政府の首相になって」
そしてであったのだ、アッチャラーンにしてもいきなり出て来たのではなくそれまでのことがあるのだ。
「今はね」
「中央政府首相ですね」
「そうなられるまでにね」
「多くの謀略を成功させてきた」
「そうよ」
まさにというのだ。
「だからね」
「あの方にもですね」
「注意してね。あの人はトラップ型の謀略が得意よ」
謀略の中でもというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「注意することよ」
「トラップに」
「何かとね、入り組んだことが得意だから」
そうした謀略がというのだ。
「くれぐれもね」
「それでは」
「会食をしても」
これ自体はよくあるがというのだ。
「けれどね」
「その時にですか」
「何気なく聞いたことからね」
「謀略を考えられて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「トラップ型の謀略をね」
「仕掛けてこられますか」
「私も何度か仕掛けられたことがあるわ」
他ならぬ伊東自身もというのだ。
「あの人にね」
「実経験からですか」
「言っているのよ」
今そうしているというのだ。
「あの人がタイ政府におられた時から」
「やはりそうでしたか」
「政治家なら会食は常ね」
「親睦を深め情報交換を行う為にも」
「ええ、その為にもね」
まさにとだ、小柳も答えた。
「それは常ね」
「レストランや料亭での会合で」
「食べながら政治のお話もね」
「常です」
「それも連合の常よ」
「そうね、けれどね」
「その中で、ですか」
「一緒に食べる人とお話をして」
これ自体は政治の話で政治家なら普通だが、というのだ。
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