最高傑作
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「君ともよく会うが……俺のファンかな?」
「……」
パピヨンの軽口を受け流しながら、フロストノヴァは歩む。
相変わらず彼女が一歩足を踏み出すごとに、その周囲に白い氷が広がっていく。
それはひなが「しゃむい……」と体を震わせるほどだが、フロストノヴァは目線をひなへ下げ、彼女から離れるような足取りを取った。
「……フロストノヴァ、お前何でここに?」
彼女はビーストの質問に答えることなく、パピヨンへ目を当てる。
「ん? 俺と戦おうというのか? ゲートキーパー」
「ここには、戦士でない者が多い。巻き込むな」
「ふむ。聖杯戦争の参加者は、一般人の命を魔力として吸収し、強くなると聞いていたのだが……これには認識の違いでもあるのかな?」
「戦士でない者に手を出す気はない」
「おやおや……アウラ同様、俺も嫌われてしまったというか」
「聖杯戦争の参加者を好むわけがないだろう」
フロストノヴァは吐き捨て、腕を振るう。彼女の氷弾が、パピヨンの蝶たちの体を貫いた。
「へえ……なら改めて、俺の敵としてよろしくしようか?」
「……」
フロストノヴァは、その立ち位置を少し動かす。
あたかもビーストとひなを庇うような位置に、ビーストは目を疑った。
「お前、何のつもりだ?」
「……」
だが、フロストノヴァは答えない。
一瞥をビーストとひなに投げるだけで、彼女はパピヨンへ手を向けた。
そして地を走る氷山。次々に地面から突き立っていくそれに、パピヨンは大きくジャンプして退避。
空高く飛翔し出すパピヨンを追いかけるように、氷はどこまでも伸びていく。
「甘い!」
パピヨンはそう叫ぶと同時に、自らの体を蝶の大群に纏わせる。
すると、氷が大軍を貫いたところで、霧散するだけ。
そしてそれはフロストノヴァの背後に集約し、パピヨンの姿となると同時に蝶を放つ。
蝶はフロストノヴァに接触すると同時に爆発するが、フロストノヴァを守るように生成された壁を破壊することは適わなかった。
「やはり硬いな」
「……」
パピヨンの軽口に対し、フロストノヴァの返答は沈黙。
ビーストはこの間に、ひなだけでも逃がすことは出来ないかと様子を窺っていると。
『フレイム スラッシュストライク』
「喝っ!」
突如、頭上から二つの破壊の力が激突する。
ウィザードとデイダラ。二人の遠距離攻撃が、氷のドーム天井付近で爆発。ドームの一部が欠ける。
その余波は、ビーストたちの沈黙を打ち破り、頭上へ目線を上げさせた。
氷のドーム、その頂上付近では、デイダラの鳥に飛び乗ったウィザードが、そのまま蹴りを放っていた。
だが、デイダラは身のこなしとともにそれを回避し、飛びのく。同時
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