最高傑作
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ピヨンは強張った表情のまま、ビーストを睨んだ。
「君一人を倒すことなど造作もないが……今はフロストノヴァも君たちの味方をするつもりのようだ。あえて分の悪い戦いに身を乗り出すほど馬鹿じゃないよ」
「だったらもう帰ってくれない?」
ウィザードの手からドラゴヘルクローが消滅する。
「あと、聖杯戦争からも手を引いてくれると助かる」
「残念ながら、こちらにも聖杯でなければ叶わない願いがあるのでね」
「お前の願いって、何だ……?」
ウィザードはじっとパピヨンを睨む。
「こんな、聖杯戦争に関わってまで叶えたい願いって、何なんだ……!?」
「それを言ってどうする? お前が代わりに叶えてくれるのか?」
「……」
「ふん」
鼻を鳴らしたパピヨンは、その背に蝶の翼を広げた。
「また会おう、ウィザード。ビースト。そしてフロストノヴァ」
パピヨンの目が血走る。
「そろそろ監督役を見つけて、マスターにしてもらわないとな」
「お前、前も響やキャスターに結構コテンパンにされてんじゃねえか。何で諦めねえんだよ」
ビーストの言葉に、パピヨンは「愚問だな」と返した。
「どうしても叶えたい願いがあるからだ。お前たちと同じようにな」
「オレの願いは多分聖杯が早合点しただけなんだがな」
ビーストはぼやく。
一方、ウィザードは何も言わない。握り直したウィザーソードガンの銃口をパピヨンへむっける。
「俺はこれ以上、参加者を増やしたくない。前言ったかもしれないけど、お前の参加意欲を消すまで徹底的に痛めつける必要だって出てくる」
「ならばもう一度言おう。俺を傷付ける口実ができてよかったな、偽善者」
パピヨンの口角がより吊り上がる。
彼の体が、蝶に包まれていく。包まれた箇所から徐々に飛び去って行き、彼がこの場からいなくなることが分かった。
だが、完全に危険が無くなる前。
ビーストは、彼の宣言を確かに聞いた。
「次こそ、俺のサーヴァントを合わせてやろう」
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