最高傑作
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にもならない。
「チッ」
「ならば、これならどうかな?」
続くパピヨン。
フロストノヴァの頭上を飛び越え、彼女の攻撃が届かない位置から無数の蝶を放つ。
しかも蝶たちは、それまでの小さな大きさではない。集い、群がり、巨大な蝶となったそれらが、爆発を携えてウィザードへ迫る。
「蝶☆ニアデス・ハピネス!」
だが。
『ディフェンド プリーズ』
発動した、防御の魔法。
その琥珀の魔法陣は、ウィザードだけではない。
今この場にいる人々___爆発物の危険に晒された人々の足元に生成される。
大地より築き上げられる、大地の壁。それは、強化された蝶の爆発さえものともせず、眼鏡な壁としてその存在感を保っている。
「これはすごいな……」
ウィザードは長らく使ってきた防御の指輪を見下ろしている。
「これなら、戦いの巻き込みもかなり減らせる……!」
「……なあ、オレここ最近の戦いのインフレに置いてかれてねえか?」
ビーストは思わず、これまで見知った彼の防御魔法の威力を比較しながら呟いた。
だが、爆発が進まないデイダラはそれを良しとしない。
「やるじゃねえか! ウィザード。なら、オイラのこの究極芸術で一気にアートにしてやるぜ! うん!」
デイダラがそう叫ぶのと同時に、蝶人形は大空へ飛翔。
翼で自身の体を抱き締め、そのまま地面に向かって落下してくる。空気を切る音が地上にも届き、誰も彼もが天上の爆発物に目を奪われている。
「現時点でのオイラの究極芸術だ。次回作ももっと凄いのを見せてやるから、乞うご期待! うん!」
「いい加減に……」
『チョーイイネ グラビティ サイコー』
それに対し、ウィザードはすでに重力の魔法を発動していた。
その効力は、ビーストも十分承知している。魔法陣の影響内にある相手の動きを重力で封じるのだ。
「しろおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
ウィザードがその手で地面を叩く。
すると、魔法陣が彼の意思に沿って地面に落ちる。同時に、魔法陣が触れたもの___巨大人形、鳥、蝶、デイダラ、パピヨン、そして周囲に残った氷。
この場の芸術家たちを、圧倒的重力の中に閉じ込めた。
氷が瞬時にぺしゃんこになり、宙にいるパピヨンとデイダラ及びその乗り物の鳥が地に落ちる。
「す、すげえ……」
これまでの重力の魔法とは比にならない力。だが、肝心の蝶人形をこれ以上地上へは近づけさせるわけにはいかない。
だが、見上げたビーストは再び唖然とした。目下の脅威である蝶人形は、逆にぐんぐんと高度が上昇していくのだ。
「あれは……!」
「重力の魔法、この形態と一番相性がいいみたいだ」
ビーストのはてなマークに、ウィ
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