最高傑作
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や職員を狙う死の雨が、地上へ降り注ぐ。
『チョーイイネ スペシャル サイコー』
だが、銀の雨を、炎が瞬時に圧し飛ばす。
ウィザードの胸から突き出たドラゴンの息吹が、一気に氷を蒸発していたのだ。
「ハルト!」
「コウスケ、皆を守って!」
「皆まで言うな!」
ビーストはハヤブサのマントを振り、オレンジの風を吹き鳴らす。発生した突風が、ウィザードが打ち漏らした氷を吹き飛ばしていく。
「何だあの威力……!? 形状が凝ったものだと、威力も跳ね上がんのかよ!」
ビーストは吐き捨て、即座にダイスサーベルを回す。
すでにデイダラは新たな人形を作り上げようと手を伸ばしている。そのポーチに手を入れ、その中にあるのであろう粘土を操作しているのだろう。
「おい……オイオイオイ……!」
「あの表情、次の爆発も絶対にこだわりの逸品だろうよ」
ウィザードの嫌な予感は的中してしまった。
ようやくデイダラが掌から生成したのは、まさに彼が言うところの芸術作品。
左右に鋭い針のような手を円形に造形され、中心の胴体は月のように大きくカーブしている。
知る人が見れば、それは芸術的造形物、太陽の塔を思わる。煙と共に巨大化し、太陽の塔は意思を持つかのように地表へ落ちていく。
「おっと。美しいものならば、俺の蝶も負けてはいない」
だが、パピヨンの蝶がそれを喰い尽くすように群がっていく。蝶たちは少しずつ粘土を破壊しようとしているのか、白い粘土を黒く染めるように接着していく。
だが。
「馬鹿め……対策しねえわけねえだろ! うん!」
デイダラは群がる蝶たちを見下ろし、笑みを浮かべた。
「アートには進化が必要だ。オイラの芸術は、この世界に来てからも当然進化した。そうなれば、無論オイラが目指すべき究極芸術もまた変わる。よりアーティスティックに、よりダイナミックに! 芸術は爆発だ!」
デイダラが長々と語るごとに、人形の動きに変化が生じていく。
人形が突如、その両腕を大きく広げたのだ。先細った先端が特徴の筈のその腕は、どこに隠していたのか、翼のように幅も広い。
「粘土変化の術!」
さらに、デイダラが唱える。
すると、再び人形が煙に包まれる。
そうして煙が晴れれば、人形の形状はまたしても変化していた。
巨大な蝶の翼がついた太陽の塔。太陽の塔の本来細い腕も、蝶の足に合わせて六本に増加しており、見るだけで嫌悪感を抱かずにはいられない。
有機物と無機物が合わさったデザインに違和感を覚えながら、ビーストはハヤブサの指輪をダイスサーベルに差し込む。
『5 セイバーストライク』
「うっし! 悪くねえ!」
放たれた五体のハヤブサ。
それは、これまでと同じよ
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