最高傑作
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に鳥が急旋回し、ウィザードを振り落としていた。
「喝!」
直前までの会話は聞こえなかったが、デイダラのその声だけはハッキリと地上まで聞こえてきた。
ウィザードへの追撃として放たれた粘土が爆発し、より勢いをつけて彼を地面に叩き落とす。
轟音を立てて地面に追突したウィザードへ、さらにデイダラの爆発が続く。
「ぐああああっ……!」
「ハルト!」
呻くウィザードへ、更に大型の鳥が向かってくる。
そしてその位置は、ビースト、及びひなのすぐそばでもあった。あの鳥が爆発すれば、間違いなくひなも巻き込む。
だがその直前で、氷がそびえ立つ。
町中に出現した氷山は、粘土を突き刺し、小さな爆発に収めてしまう。
「フロストノヴァ……!」
「何で助けた?」
ウィザードもまた、フロストノヴァの存在に顔を向けている。
だが、フロストノヴァは何も応えない。
ウィザードたちを一瞥し、すぐさま頭上のデイダラを見上げる。
「あれは……」
「へえ、新しい参加者か。お前が噂のゲートキーパーか? うん」
デイダラもまた、フロストノヴァを見下ろす。
「色々と聞いてるぜ? この氷遁も、お前の術なんだろ?」
「……」
「クールだねえ……いいぜ、来いよゲートキーパー。お前の氷遁とオイラの爆遁で勝負だ! うん!」
デイダラはそう言って、予め作っていたのであろう人形を取り出す。
第一印象は、埴輪。翼のような両腕で自身を抱きかかえたようなフォルムの人形は、空中へ放り投げられると放物線を描きながら、フロストノヴァの頭上へ舞い上がる。
同時に、人形の姿が白い煙に包まれる。すると、その大きさは人間の数倍の大きさに巨大化。
「何じゃありゃあ!?」
太陽すら見えなくしてしまうような大きさに、ビーストは悲鳴を上げた。
人形は数秒だけ天空に鎮座していたが、やがて重力の力により地表へ向けて落下。
徐々に大きくなっていく粘土の隕石に、流石の子供たちも好奇心以上に警戒心が湧きだしたのだろう。警戒はやがて恐怖へと変わっていき、最後はパニックへとなる。
「オイラの十八番だ、特と味わいやがれ! うん!」
「くっ……!」
巨大な人形が迫る直前、フロストノヴァはさらに巨大な壁を生成する。氷はより高く、より厚く形成されていく。やがて、既存の氷ドームの補強ができたところで、人形が氷と接触。
「喝ッ!」
凄まじい音量とともに、人形は爆発した。
それは、これまでデイダラが作りしてきた鳥たちとはけた違いの規模で、氷の壁を破壊、地表へ凄まじい衝撃を与える。
そして粉々になった氷の破片は、今や一転、人々を襲う刃と化していた。
人々の避難は完了していない。保育園にいる親子
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