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とある3年4組の卑怯者
166 暖炉
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虫で誰も遊んでくれなくて、その時、私と仲良くなって下さったのが姫子さんだったんです・・・」
「そうだったの・・・」
「でも学校が別々になると私はまた一人ぼっちになってしまったんです。堀さんと会うまでは・・・」
「吉川さん・・・」
「ええと、貴女が堀さんだっけ?」
「そうよ、それでこっちが私が転校前の学校の友達よ。たまたま清水に遊びに来てるの」
「雪田みきえっていうんだ。そう言えば君もこずえみたいに凄い美人だね!」
「え、そうかしら・・・?」
 城ヶ崎は美人と言われて照れた。
「そうだ、みどりちゃんはいつ藤木と知り合いになったの?」
「前にスケート教室で、私と藤木さんの学校が同じ日になってその時にスケートする藤木さんが好きになって・・・。それでお友達になる事ができたんです」
(み、みどりちゃん・・・!!)
 藤木はみどりの告白で恥ずかしくなった。
「藤木をっ!?」
 城ヶ崎は驚くしかなかった。
(城ヶ崎・・・、そうだよな、誰だってこんな卑怯者をよく好きになれるよなって思うよな・・・)
 藤木はあたふたするしかなかった。しかし、城ヶ崎が驚いた理由はそこではなかった。
「と、兎に角急ぎましょう!犬さんも寒さで凍えてしまいそうです!」
みどりが促した。

(それにしても姫子さんもまる子さんや藤木さんと同じ学校だったなんて・・・。どうして気付かなかったのかしら・・・)
そしてみどりは過去の自分を思い出した。
(藤木さんの事を好きになるまではまる子さんくらいしか友達がいなかったのに。そういえば幼稚園に行っていた頃、一人気が強い女の子がいて、その人に何かとお世話になっていた事がありましたね・・・)

 藤木、みどり、たかし、城ヶ崎、堀、みきえとタロ、ベスは城ヶ崎家に到着した。
「只今っ!ママ、大変よっ!私と西村君が隣町の子に絡まれてそれで西村君の犬がそいつらに川に投げられてそれを助けてくれた子がずぶ濡れになっちゃったのっ!!暖炉で暖めてあげてっ!!」
「え!?分かったわ!皆入って」
「おばさま、御無沙汰しております」
 みどりが城ヶ崎の母にお辞儀をした。
「え?貴女は確か・・・」
「姫子さんの幼稚園の時の友達の吉川みどりです」
「ああ、みどりちゃん、久しぶりね・・・」
「すみません、私の友達が姫子さんのお友達の犬を助けようと川に飛び込んだんです」
「そう、みどりちゃんのお友達だったのね」
「はい・・・」
 堀は城ヶ崎の母からタオルを受け取り、それで濡れた服や体を拭いた。そして、暖炉で体を暖めて乾かした。服も暖炉で乾かしたが、下着は城ヶ崎の物を借りる事にした。暖炉の部屋にはみどりやみきえなど女子がいたが、藤木とたかしは男子であるためかさすがに部屋のドアの外側に立っており、中は見ないようにしていた。
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