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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第227話:奮闘虚しく
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フォギアが無い以上、セレナを治療したとしても意味はない。ガングニールは二つ存在したが、あれは例外のような物でありアガートラームを二つ作る事は出来ないのだ。これに関しては了子も明言している。せめて聖遺物のアガートラームの欠片が残っていればまだ何とかなっただろうが、生憎とアガートラームはマリアのシンフォギアを除けば欠片も残っていない。
以上の理由からアリスはセレナの治療に関しては常に難色を示し続けていた。
それでもセレナは諦めなかった。例え何度却下され、時に厳しい言葉を投げ掛けられようとも、自分の愛する者達が戦い傷付くのを後ろから見ているだけなんて我慢できなかった。
「お願いしますッ! 私を、もう一度戦わせてくださいッ! 私に、ガルド君を、姉さんを、皆を守らせてくださいッ!」
そう言ってセレナは時にアリスの前で土下座する勢いで懇願し続けた。尋常ではない熱意と勢い、それを何度も目の当たりにして、遂にアリスは折れた。本物のセレナの熱意、これ以上断り続けているとその内独自の判断で動いてしまいそうだと言う危惧もあった。
そんな事もあってから、アリスはセレナを戦いに戻す為に空いた時間を使って行動を起こした。
まずセレナが抱える後遺症だが、これに関してはあまり大きな治療は行わなかった。理由は1つ、彼女に必要以上の無茶をさせない為である。完全に治療してしまっては、彼女の事だからきっと無茶をする。そうすればきっとガルド達が心配するので、治療は最低限に戦いに戻れる程度に留めておいた。これが彼女を戦いに戻す上での条件であり、ここが妥協点とセレナも一応の納得を見せた。
問題はセレナが戦う為の力であるが、これに関してはアリスは何てことは無いように答えた。
「シンフォギアとファウストローブのハイブリッドで対処します」
嘗て響は、奏のシンフォギアの欠片を使ってガングニールを纏っていた。であれば、同様の事が他のシンフォギアでも出来ない筈がない。アリスは了子と共にギアの整備のついでにマリアのアガートラームから欠片を採取。それを核にして、マリアのアガートラームのデータも用いアリスはファウストローブ的に仕上げたアガートラームを作り上げたのである。
このアガートラーム、外見上は嘗てセレナが纏っていたそれを大人になった彼女に合わせたものにしか見えない。だがその中身はシンフォギアと言うよりはファウストローブに近いものとなっており、最大の特徴はフォニックゲインだけでなく魔力も用いて戦えると言う点である。勿論装者ではあっても錬金術師ではないセレナに魔力の扱いなんて出来る訳がなく、また奏の様にギアの機能として魔力の扱いを理解できる訳でもない。
その問題はアリスが共に行動する事でほぼ解消された。
「良いですか? このアガートラームはフ
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