第57話
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」
「て、てめぇ…………力任せのテクで俺の相棒を満足させられるとでも――――――」
「アーロン様、ヴァン様もフェリ様がいるのでそのくらいで。」
「…………?(そういえばアニエスさんは今頃どのあたりかな…………?」
下品な会話をし始めたアーロンとヴァンへのリゼットの注意の意味が理解できないフェリは首を傾げた後アニエスの事を考えていた。
〜列車内〜
列車内では長距離の移動で疲れたのか大半の生徒達が眠っている中、アニエスが曾祖父が残した日記を読んでいると眼鏡をかけて何かの書物を読んでいたレンがアニエスに声をかけてきた。
「――――――曾お祖父さんの遺したものだったかしら?研修にも持ってくるなんて、肌身離さずって感じね。」
「大切な物ですから…………?これがあったから、今の私がいる…………そう言っても過言じゃありません。…………最近は考えさせられるような事も多くなっちゃっていますけど…………」
「…………ま、いいんじゃない?少なくとも”後悔”だけはしていないみたいだし。」
「…………はい。それは間違いありません。”決めるのはお前だ”って言ってくれた人もいますから。…………悼ましいこともありましたが、多くの繋がりを得て世界が広がりました。私を育んできたカルバードという故郷を様々な角度から識ることもできて…………今、”この国を動かしているあの人”にどう向き合うか――――――少し見えてきました。」
レンの指摘に頷いたアニエスは今までヴァン達と共に関わってきた”裏解決業務”を思い返した後、ある人物について思い浮かべた。
「…………ふう、隠す気ないのかしら?この子たちとだけの秘密なんじゃなかったの?」
一方アニエスの言葉に出てきたある人物が誰の事を指しているのかに気づいていたレンは呆れた表情で眠っているオデットとアルベールを見つめながらアニエスに指摘した。
「あはは、そうですね。でも――――――先輩にならって不思議と思えてしまって。というか先日の件で先輩の”正体”を知った後に気づきましたけど、そもそも先輩は”私の父親が誰なのかを私と初めてお会いした時点で知っていたのじゃないですか?”」
「…………ええ、それについては否定しないわ。一応念の為に言っておくけど、”その件”が理由で貴女と仲良くなったわけではないわよ?こう見えても”立場”と”プライベート”は使い分けるようにしているもの。」
アニエスの指摘に対して静かな表情で答えたレンはアニエスにある念押しをした。
「ふふっ、そのくらい言われなくてもわかっていますよ。4月に初めてお会いしたのにいつもいつも良くしてくれて…………ヴァンさんの所を訊ねるきっかけもいただきました。あ…………それであの時、導力ネッ
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