第57話
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「君は狼狽え過ぎだよ。――――――確かに知ってはいるけど、あたしとアンリエットが話に出た”大英雄”殿の新たな伴侶について知っている知識はヘイワーズとそれ程変わらないよ。」
レンが口にした情報を知っているアニエスが苦笑している中男子生徒の一人が驚きの表情で声を上げ、オデットは興味津々な様子でレジーニアとアンリエットに訊ね、オデットに訊ねられたアンリエットは思わず驚きの表情で声を上げた後必死に答えを濁し、その様子を苦笑しながら見つめて指摘したレジーニアは落ち着いた様子で答えた。
(…………確かに現総督府はこの上なく上手くやっている。……でも、それは――――――)
生徒達がリィンの話について盛り上がっている中、女性は現北カルバード政権の方針によって発生している問題点について考え込んでいた。
〜車内〜
「いずれにせよ、大規模な資金流入や情勢変化は”歪み”として現れやすい。今回起きてるっつう”何か”に関係があるかはわからねぇが――――――」
車内では女性が考えている問題点についてヴァンが口にし
「鼻は利かせておけっ、ですね?」
「小娘の遺産の”反応”もある。んなことは端からわかってるんだよ。」
「ザイファを始めとする、様々な重要プロジェクトに関する動向――――――アルマータ以外の各種勢力の兆候も”嗅ぎ分け”られるよう致しましょう。」
フェリやアーロン、リゼットはそれぞれヴァンが言葉にしようとした続きを口にした。
「はいっ、アニエスさんも一緒に!」
「ったく…………――――――ああ、それでいい。」
助手達の物分かりの良さにヴァンは苦笑を浮かべていた。
その後ある程度進むとヴァンは運転手を交代し、運転手はリゼットが務めていた。
「うーん、リゼットさんの運転はまさに正確無比って感じですねっ。さっきから必要最低限の動きで”流れ”を掴んでいる気がします。」
「ライン取りな。マルティーナも安定した運転だが、お前さんのはマルティーナ以上にライン取りも完璧で見事なモンだぜ。」
「ふふっ、恐れ入ります。」
フェリとヴァンの感想にリゼットは静かな笑みを浮かべて答えながら運転をしていた。
「ハッ、さすが国際免許なんてスカしたモン持ってるじゃねえか。ま、俺が5だとしたらアンタと姉貴にはそれぞれ2ずつくらいは運転を任せてもいいぜ?」
「ああ、そんくらいは…………――――って俺が1かよ!?」
アーロンの感想や今後の運転の比率に頷きかけたヴァンだったがすぐに自分の比率が最も低い事に気づくと声を上げて突っ込んだ。
「所長なんだからドンと構えとけって。…………クククッ、ご自慢の愛車、若いテクで存分に啼かせてやるからよ。
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