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神々の塔
第八十八話 主その十

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「それがや」
「わからんな」
「ああ」
 中里に真顔で答えた。
「そこがな」
「十星連合の星のモンは皆そうした考えやな」
「平和主義のアマンダでもな」
 コンゴ出身のサプールであり十星連合では外相を務める彼でもというのだ、彼はサプール故に徹底した平和主義であるのだ。
「凶悪犯についてはや」
「容赦せんからな」
「そうした考えやからな」
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「十星連合はな」
「凶悪犯には厳罰や」
「それで法を定めてるわ」
「基本こっちの法律は厳しい」
「軍律もそうやしな」 
 中里はまさにと答えた。
「そうなってるわ」
「そやな」
「太宰が主に定めたが」
「鋼鉄の様に厳し法律と子供が聞いて震え上がる刑罰」
 メルヴィルは太宰が言ったその言葉を出した。
「それが世を正しく治めるってな」
「あいつは言うたが」
「その通りやな」
「法は悪人を取り締まる為のもんや」
 中里は言った、実は太宰が定めた厳格極まる法は非常に弾力的であり細部まで定めていても社会的弱者や善人には非常に寛容であり優しいのだ。
「そしてな」
「善人が幸せに暮らせる」
「そうしたもんでな」
「必要やてな」
「いつも言うてるな」
「法がないなら」
 そうした社会はというと。
「ほんまな」
「恐ろしい社会や」
「そや」
 まさにというのだ。
「もうな」
「無政府状態になるな」
「まさにな」
 それこそというのだ。
「モヒカンがバイクで走り回ってる」
「そうした社会になるな」
「大地震の後の関東とかな」
「そっちは鎧武者が走り回ってな」
 そうであってというのだ。
「それで変なおっさんが君臨してる」
「鎧着たな」
「モヒカンの方が世紀末覇者がおるな」
「ああ、胸に七つの傷ある兄ちゃんとかな」
「どっちも最悪な世界やな」
「ほんまな」
「あと魔界都市もあるな」
 シェリルは中里にも話した。
「そやな」
「ああ、そっちのケースもあるな」
「法がないとな」
「もうな」
 それこそというのだ。
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