第百四十八話 本物その五
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「そっち路線にいくとまずいから」
「何かとね」
「皆そうだけれど」
「私もなのね」
「着物はちゃんと着て」
そうしてというのだ。
「胸や脚は出さないで」
「可愛い路線でいくべきね」
「そうしてね。あと下着は着けてるわよね」
「うん」
かな恵は一言で答えた。
「ちゃんとね」
「だったらね」
それならというのだった。
「いいわ」
「やっぱり下着は着けないとね」
かな恵は笑って答えた。
「着物の時にもね」
「ノーパンノーブラとかね」
「もし何かあったらね」
「大変だし他の娘も着るし」
「汚れたら駄目だから」
「下着は着る服が汚れない為のものでしょ」
そのことが目的でというのだ。
「それで着るからね」
「それでよね」
「尚更ね」
「着ないと駄目ね」
「そう、透けるっていうけれどね」
「着物で下着を着るとね」
「実際はそんなにだから」
「目立たないわね」
「どうしてもなら半ズボン穿けば」
下着の上にというのだ。
「ライン透けないから」
「いいわね」
「上だってね」
ブラジャーの方もというのだ。
「シャツ着たらね」
「ブラの上から」
「それでわからないから」
「いいわね」
「どうしてもっていうなら」
「何かあるの?」
「褌よ」
かな恵に真顔で話した。
「それがあるから」
「褌ね」
「昔は女の子も褌だったでしょ」
「腰巻とか湯文字もあったけれど」
「そう、褌でもいいのよ」
「着物の時は」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「着物の時も下着はね」
「着けることね」
「絶対にね、着けてるならそれでいいわ」
「それじゃあね。ただ私今の下着ピンクだけれど」
「上も下も?」
「透けてないわよね」
「透けてないわよ」
かな恵を上から下まで見回して答えた。
「大丈夫よ」
「よかったわ」
かな恵もそう言われてにこりと笑った。
「それならね」
「白くてもね」
着物がというのだ。
「ピンク位だとね」
「透けないのね」
「これが黒だとね」
この色ならというのだ。
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