第百四十八話 本物その四
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「そうでしょ」
「そうよね」
「もう売れたら勝ちだしね」
「お客さん入ったら」
「それならね」
確かな顔と声で言うのだった。
「もうね」
「可愛い路線でいくのね」
「このお化け屋敷は」
「怖いんじゃなくて」
「それで人気出てるし」
「そうよ、考えてみればこの学園幽霊や妖怪のお話滅茶苦茶多いけれど」
このことについても言うのだった。
「怖いお話ないでしょ」
「そうよね、テケテケだってね」
かな恵が応えた。
「ただ両手で進むだけで」
「怖いことしないでしょ」
「全然ね」
この学園に出て来るこの妖怪はというのだ。
「夜行さんだって首無し馬に乗ってるけれど」
「あの馬で人を蹴飛ばして殺すっていうけれどね」
「地元だとね」
夜行さんは鹿児島県の妖怪である、一つ目で顔中毛だらけの妖怪である。服は日本の朝廷の礼装だという。
「そうらしいけれど」
「こっちの夜行さんは夜中に首無し馬に乗って出て」
「歩いてるだけらしいわね」
「この学園怖い幽霊や妖怪いないのよ」
かな恵それに他のクラスメイト達に話した。
「だからこのお化け屋敷もね」
「怖くなくていいのね」
「幽霊や妖怪がイコール怖いっていうのも」
その考えもというのだ。
「違うでしょ」
「そうね、愛嬌のある妖怪さんも多いしね」
かな恵も確かにと頷いた。
「妖精さんだってね」
「だから可愛いでも」
「人気が出てるならそれでよしなのね」
「大体妖怪アニメだってね」
今度はメディアの話をした。
「怖いものばかりか」
「そうでもないわね」
「妖怪の仕業だとか言っても」
アニメの中でだ。
「出て来る妖怪ってどれもね」
「怖くないわね」
「それでいいのよ」
「人気もあるし」
「大体かな恵で怖いって」
今も幽霊姿の彼女を見て話した。
「全然ね」
「怖くないから」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「それでいいのよ。というかね」
「というか?」
「あんた服ちゃんと着ていてね」
幽霊の着物姿の彼女を見て言うのだった。
「絶対にね」
「はだけたりしたら駄目なのね」
「あんた胸大きいし脚も目立つし」
そのスタイルがというのだ。
「それで露出多いと可愛いじゃなくて」
「別になるの」
「エロくなるから」
だからだというのだ。
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