第百四十八話 本物その三
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「落ち武者は少なくても」
「多いから使うのね」
「ええ、私も着るしね」
「後でね」
「今はお願いね」
「それじゃあね」
かな恵は笑顔で応えた。
「頑張るわね」
「そうしてね」
二人で笑顔で話した、そしてだった。
かな恵は幽霊としてお化け屋敷に入ってうらめしやと言って客の相手をした。だがそれでもだった。
クラスメイト達がだ、ぼやいて言った。
「かな恵も他の子達もね」
「全体的によね」
「怖がられてないわね」
「むしろ可愛いってね」
「そう言われてるわね」
こう話すのだった。
「それで文化祭のデートスポット」
「カップルで可愛さを楽しむ」
「その扱いよね」
「そうよね」
「かな恵なんてね」
幽霊に扮している彼女を見て話された。
「ほんわかしてるっていうし」
「幽霊でもね」
「全然怖くなくて」
「むしろナンパしたくなる」
「そう言ってたお客さんいたわね」
「私怖くないの」
その幽霊姿のかな恵が言ってきた。
「そうなの」
「うん、メイクしてもね」
「そうだったって言われてるわ」
「むしろ別のクラスの頭から血を流してる将軍様の看板の方が怖いってね」
その様にというのだ。
「言われてるわ」
「あの北の将軍様ね」
「変にリアルな絵になってるし」
「それでね」
「そうなのね、怖くないのね私」
かな恵は首を傾げさせて述べた。
「幽霊になっても」
「実際見てもそうだしね」
「私達もそうね」
「幽霊になっても怖くないわね」
「お化け屋敷自体が」
「むしろコミカルで可愛い」
「そんな風ね」
こう言うのだった、お化け屋敷の舞台裏で。
「どうもね」
「じゃあこの路線でいく?」
ここでクラスメイトの一人がこう言った。
「こうなったら」
「可愛い路線でいくの」
「怖いじゃなくて」
「それでいくの」
「そうするの」
「お客さん多いしね」
このことも言うのだった。
「肝心のね」
「ああ、お客さん多いなら」
「それならなのね」
「その路線でいくといいのね」
「繁盛してるなら」
「?盛イコール正義でしょ」
提案した娘はこう言った。
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