第八十七部第四章 首相官邸にてその九
[8]前話 [2]次話
「あの人も決してね」
「自惚れてですね」
「溺れることはなかったわ」
その謀略にだ。
「必要だから使っていて」
「不要ならですね」
「使わなかったわ」
「そうした人でしたね」
「戦国一の謀略家だったけれど」
そこまで言っていい人物だったがというのだ。
「けれどね」
「決して自惚れず溺れず」
「ことを進めていったわ」
「そしてあれだけの勢力になりましたね」
「そうよ」
毛利元就、彼はというのだ。
「兎角溺れないことよ」
「そうなっても終わりですね」
「ええ、それでサイバー攻撃を防いだけれど」
「中央政府も一筋縄ではいきません」
「すぐにまた仕掛けてくるわ」
そうしてくることは明らかだというのだ。
「別のやり方でね」
「そうしてきますね」
「だからね」
それでというのだ。
「注意していきましょう」
「中央政府に対しても」
「そうよ、今の中央政府は中々厄介よ」
「謀略についても」
「だからね」
それ故にというのだ。
「これからもね」
「注意してですね」
「そしてね」
「防ぎますね」
「そうしていきましょう、そしてこうしたことはね」
「連合の常ですね」
「テーブルの上では握手していても」
それでもというのだ。
「その下ではね」
「足を踏み合っていますね」
「それが連合よ、今度あちらの財務省の高官の人達が来日するけれど」
「おもてなしはですね」
「させてもらってね」
そうしてというのだ。
「笑顔でお迎えするけれど」
「あちらも笑顔で来られますが」
「その裏ではね」
「丁々発止となりますね」
「そうなるわ、ただ親善で来ても」
その名目でというのだ。
「親善だけでは済まない」
「まことにそれが連合ですね」
「そうした国ということよ」
連合そしてその中にある三百以上の国々はだ。
「まさにね」
「そうですね、ただ今度の高官の人達は」
「親日派ね」
「その人達で占められています」
「そうね、けれどね」
「親日派でもですね」
「彼等は官僚よ」
政治家の下で国政の実務を担う者達だというのだ、連合では政治家と官僚の線引きはかなりはっきりしている。選挙で選ばれるのが政治家であり官僚は官公庁にいて政務の実務を担っている者達であるのだ。
「官僚ならね」
「その所属する国に尽くす」
「そして利益を出すものよ」
「左様ですね」
「だからね」
それでというのだ。
「彼等は親日派でもね」
「連合の為に動きますね」
「そうよ」
まさにというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ