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新オズのかかし
第七幕その六

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「ここからだね」
「そのドアは防水式でして」
「閉じるとお水が入らないんだね」
「はい、そうでして」
「ここにあってもいいんだね」
「そうです」 
 実際にというのです。
「僕達もそこからです」
「船に出入りしているんだね」
「あと手階段もありますので」
「それでも行けるね」
「そうです、ロープもありますし」
「船に入る方法は色々だね」
「はい、ですが一番手軽なので」
 それでというのです。
「大抵はです」
「このドアからだね」
「入ります、ですから皆さんも」
「うん、今からね」
「中に入って下さい」
「そうさせてもらうよ」
 こうお話してでした、そのドアを開けてです。
 皆難破船の中に入りました、するとフライデーはもう皆の前に来ていました。服装はロビンソンさんの様にラフなブラウスとズボンそれにブーツです。
「ようこそ、別荘に」
「実際に別荘なんだね」
「はい、今は」 
 かかしに笑顔で答えました。
「そうなんです」
「面白いね、ただね」
「ただ?」
「いや、外観は難破船でも」
 かかしは船の中を見回して言いました。
「中身は快適そうだね」
「当時の船の中で」
 見れば木造です。
「設備は今のものです」
「そうなっているね」
「はい」
 まさにというのです。
「これが」
「そうだね」
「テレビもありますし」
「パソコンもだね」
「勿論お風呂もです」
 そちらもというのです。
「ありますよ」
「お風呂もですか」
「そうそう、あの時私は入浴なんてしていなかった」
 ロビンソンさんは笑てって言いました。
「もうね」
「全くですね」
「そうだったよ」
 こうナターシャにお話しました。
「水浴びはね」
「されていましたか」
「時々ね、けれどね」
 それでもというのです。
「身の安全を考えながら」
「それで、ですか」
「やっていてね」 
 そうであってというのです。
「本当にね」
「お風呂はですか」
「入ってなかったよ」
「島におられた頃は」
「当時の欧州は入浴の習慣がなかったし」
 このこともあってというのです。
「それでね」
「お風呂は、ですか」
「入っていなかったよ」
「そうですか」
「そう、けれどね」
 それでもというのです。
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