第三十六話 猛訓練その七
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「そこにあるのは感情それも悪意です」
「その通りですね」
ジムもまさにと答えた。
「暴力は」
「ですから断じて振るってはならず」
「許してはいけないです」
「正しい力は武力であり」
「私達に備わっているのは武力です」
「その武力をです」
「今は養っています」
ジムは強い声で述べた。
「皆さんは」
「そうだ、強い武力を持つことだ」
朝加はここでまた熱い声で言った、表情もそうなっていて右手を拳にしてそれを掲げる様にして言っている。
「絶対にな」
「うん、さもないとね」
伊賀崎父は枯れ木の様な色のジャージを着ている、そのうえで話している。
「暴力を目の前にしても止められないよ」
「そうですね」
天知は温和だが確かな声で頷いた。
「暴力を否定しましても」
「武力それも強いものがないとね」
「止められません」
「そうなんだよね」
「そして勇気ですね」
天知はこの心も話に出した。
「それも備わっていませんと」
「武力があってもね」
「それを前に出せません」
「そうなんだよね」
「勇気、ですね」
松尾はその勇気という言葉を聞いて言った。
「言うことは簡単ですが」
「出すことは難しいのよね」
「そうなんだよね」
松尾はエリに答えた。
「本当に」
「勇気を持つことも大変で」
「それを出すこともね」
「難しいわ」
「本当にね」
まさにというのだ。
「そうだよね」
「いえ、皆さんは既に持たれていてです」
セバスチャンが言って来た、彼の執事姿は変わらない。
「何時でもお出しすることが出来ています」
「そうですか?」
「ご安心下さい」
セバスチャンは松尾に確かな声で答えた。
「そのことは」
「そうだったらいいですが」
「はい、次の戦いの時も」
その時もというのだ。
「同じです」
「勇気を出せますか」
「必ず。ただどうも次のお相手は」
それぞれの組織はというと。
「暴力を振るいませんね」
「奴等も武力だな」
ガストが言ってきた。
「言うなら」
「左様ですね」
「あいつ等も悪意がなくてな」
「彼等の信念で戦いますね」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
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