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神々の塔
第八十八話 主その六

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「犯罪までやったらな」
「容赦しないわね」
「いじめは犯罪、殴ったり蹴ったり金取ったらな」
「暴行や恐喝になるわ」
「犯罪者に情は無用」 
 中里は言い切った。
「それでや」
「厳罰に処したのね」
「お陰で生徒の数が減ったが」
 その学校のというのだ、言うまでもなく教師もだ。だが中里はそれでもアレンカールに笑って話すのだった。
「しかしな」
「それでもよね」
「腐ったもんは捨てる」
「そうすることよね」
「多少の腐敗は自浄出来てもな」
「それが酷いと自浄出来んでな」
 芥川も言った。
「捨てるしかないさかいな」
「そやからよね」
「中里は正しい」
 彼が取った行動はというのだ。
「性根が腐った差別主義者が犯罪やらかしたらな」
「容赦することはないわね」
「そや」
 まさにというのだ。
「もうな」
「それが十星連合やしね」
「差別を否定してな」
「犯罪者には容赦しない」
「そやから死刑もな」
 この刑罰もというのだ。
「普通にやってるわ」
「そうよね」
「それぞれの州や省でな」
「そうしてるわね」
「死刑廃止なんてな」
 それこそというのだ。
「誰がするか」
「十星連合やとね」
「犯罪者を刑務所に入れてるだけで税金かかるんや」
「衣食住提供するから」
「それだけで税金かかるんや」
「凶悪犯を税金で養うなんてね」
「アホの極みや」 
 芥川は心から忌々し気に言った。
「ほんまな」
「そうよね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「容赦しないでね」 
「それでや」
「死刑はどんどんしているわ」
「そや、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「屑を税金で食わせるなんてな」
「してへんわね」
「そして屑でも世の中に役立たせる為に」 
 その考えでというのだ。
「強制労働もや」
「させてるわね」
「屑の人権なんか主張せんわ」
 これも十星連合の考えである。
「ほんまな」
「そうよね」
「他の人の人権踏み躙る奴の人権なんてな」
「不要よね」
「そや、被害者の人権は大事やが」
 それでもというのだ。
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