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神々の塔
第八十八話 主その二

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「もうね」
「キリストさんともやな」
「戦うわ」
 そうするというのだ。
「試練としてね」
「そうするな」
「そうせんとな」
 施も言ってきた。
「この塔では先に進めんし」
「力も得られへんわ」
「この世界を救うだけのな」
「そうよね」
「そう思うとな」
「キリストさんとも戦うわ」
 アレンカールは施にも話した。
「これからね」
「そうするな」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「世界を救う力を手に入れるわ」
「そうするな」
「必ずね、あとね」
 ここでアレンカールはキリストについてこんなことも言った、彼と戦う覚悟を決めたと仲間達に言ってかた。
「あの人お顔やけど」
「キリストさんのかいな」
「この世界は神霊さんは特に決まってない限り見る種族によって外見が変わるわ」
「それぞれの種族のお顔になりはるな」
「ええ、けれどね」
 施にそれでもと話した。
「キリストさんって大抵長い癖のあるお髭生やしてるわね」
「絵とか十字架の上でな」
「そやけど」
「実際はどないか」
「このお顔は実はちゃうみたいなのよね」
「あのお顔人やとラテン系のお顔やな」
 施はこう答えた。
「実は」
「そうなのよね」
「あれはないな」
「ええ、キリストさんの生まれを見るとね」
「当時の中近東生まれやからな」
「それやとね」
 どうにもというのだ。
「アジア系というか」
「セムとかハムとかな」
「あの辺り色々民族が入り混じってるけど」 
 メソポタミア全域がだ、この地域は様々な民族が興亡を繰り返してきた地であることは歴史にある通りだ。
「そう考えたら」
「混血もしててな」
「アジア系も白人も入ってる」
「まあラテン系のお顔やないな」
「当時のローマ人のね」
「その証拠にや」
 羅もキリストの顔について話した。
「昔はキリストさんの絵お髭なかった」
「美形の青年さんなのよね」
「そやからな」
「そうなのよね」
「ラテン系でもないな」
「これがね」
「科学的に検証しても」
 そうしてもというのだ。
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