仮面ライダーディボーン・前編
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事な人なんて、今までいなかったのに」
ローブの男を見てあり得ない表情を浮かべる瀬恋奈……それもそのはず、彼女は"とある流派の拳法"の有段者である。
数少ない身内と共に幼少の頃から身につけた武術、その腕前は当世での継承者に相応しいと言われるほど。
例え成人の男性でも昏睡させるほどのその技の一撃を食らって平然と立ち上がった男に驚きを隠せなかった。
『オレっちをお前ら人間と一緒にしたら大怪我見るぞ? もっとも大怪我負わせるほどの一撃をブッコむのはこれからだッッ!』
「……ッ!!」
ローブの男から発する気配の違いに一早く察知した瀬恋奈は身構える。
男から発する殺気は人間の者とは違った……まるで、生きるために標的を狩らんとする獣のそれだ。
このままでは自分どころか周囲の人々まで巻き込むかもしれない。
瀬恋奈が心配しながらローブの男の出方を伺っていたその時、第三者の声がかかる。
「はいはい、時代遅れの私闘をやるのはご法度だぜ」
その身を躍り出る様に現れたのは黒髪の元気そうな雰囲気の青年。
瀬恋奈を守るように背中へ回し、青年――暁は不敵な笑みを浮かべる。
間を割って入るかのように登場した暁にローブの男は怒号を上げる。
『あんだテメェ、邪魔だ貴様ぁ! 戦いに首ィ突っ込んでんじゃねえ!!』
「ハッ、女の子相手に危険な目に晒すのはダメだ。しかもとびっきりの別嬪さんだ。余計にダメだ」
「べっ、別嬪さん!?」
ローブの男の言い分を鼻で笑いながら、暁は褒める言葉を混じらせながら返した。
別嬪さんと言われて顔が真っ赤になりながら驚く瀬恋奈だが、そんな彼女を他所に暁は『何故狙われているのか』と聞き出そうとする。
「というか、なんで彼女を襲おうとするんだよ?」
『その女はオレっちにガンを付けた。それだけで戦う理由は十分だよ!』
「なんだそのヤンキー理論は……ん、つまり彼女をやっつけたいわけか」
ローブの男が告げた理由を聞いて、暁は瀬恋奈を見やる。
そして不敵な笑みを浮かべると、彼女の身体を抱き上げる。
「ちょいと失礼するぜ」
「へっ、きゃぁあっ!?」
「さーて、こい! レックスレイダー!」
瀬恋奈を抱きかかえたままローブの男の元からから逃げ去った。
ローブの男は追いかけようとするも、何処からともなく現れたオンロードバイクが登場。
オレンジ色を基調としたバイク――『レックスレイダー』は暁と瀬恋奈を乗せると、目にもとまらぬ速度で逃げていく。
赤レンガ倉庫から離れていく彼ら二人の背姿を見て、取り残されたローブの男は叫だ。
『てんめぇ、待ちやがれ! そいつはオレっちの好敵手だぁぁ!!』
ローブの男は手に持ったのは恐竜の化石によく似た、
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