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仮面ライダーディボーン
仮面ライダーディボーン・前編
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庫の後はどこ向かおうかしら。やっぱり横浜中華街かしら、それとも横浜ミュージアム? 横浜スタジアム? ああ、楽しみだなぁ!」

横浜観光に胸を高鳴る中、浮足立つ様子を隠そうともせず、赤レンガ倉庫を堪能しようとする。
だが、そんな彼女の頭上を一つの影が過ぎった。

「んん? 何かしら……?」

瀬恋奈は何事かと思って影が過ぎった方向へ振り向いた。
視線を向けた先には、赤レンガ倉庫の屋根に立つ【人型の何か】……一瞬、目の錯覚かと思ったが、すぐにそうではないと瀬恋奈は思い知る。

―――何故なら、爬虫類の目に似た双眸が瀬恋奈の姿を捉えたからだ。

「えっ……?」

『シャァア!』

瀬恋奈が驚いたその一瞬、人型の何かの姿が消失する。
次の瞬間、瀬恋奈の眼前に拳を構えた人の姿が目に入った。
振り抜かれた拳を瀬恋奈は咄嗟に避け、地面へと転がり込む形で回避した。

「い、いきなり何をするんですかッ!?」

『貴様、ガンつけたな?』

「が、ガン……?」

『おもっくそガンつけただろ? このオレっちに、ガンつけたなぁ!!』

赤レンガ倉庫のド真ン中の位置で、男とも女とも似つかないがそれでも場違いな胴間声が轟く。
周囲の人々が怪訝な顔で様子を見ている中、瀬恋奈は目の前の人物を見据える。
擦り切れたローブを見に纏っているため顔はよく見えないが、体格的には細身ながら筋肉質……比較的男性に近い。
ローブの男は両拳を構え、まるでボクシングのボクサーのように拳を撃ち放った。

『どっせい!』

「ちょっとっ! こんな往来でぇ! やめなさいって!」

ローブの男が振り放つ拳の連撃を瀬恋奈は手ではじく形で捌いていく。
右フックを外側へ反らし、左ストレートを手の甲で弾き、放たれた右のアッパーを身体を反らして回避。
振り放たれる拳をせめて他の人に当たらないように努めながらも、いつまでも止める気配のないローブの男の態度に頭が来たのか、カチンと来た瀬恋奈は両手を突き出す。
花のように構えた両手を、再び左ストレートを振り放つ男へ放った。

「―――いいかげんにしなさいっての!!」

『ぶんばっ!?』

花のような両手の一撃が男へ炸裂、軽く宙を舞い地面へと転がる。
ふぅ、と瀬恋奈は一息ついた後、自分がしでかした事に気づいて我に返った。
周囲を見ると今までの激闘を見ていた観衆が拍手を向けており、自分が仕出かした粗相に顔を赤らめる。

「うぅぅぅ……恥ずかしい」

『かっ、ハァ……ハッ、やるじゃねえかぁ! 貴様ぁ!』

「えっ……!?」

恥ずかしがる瀬恋奈は聞こえてきた声に驚いた。
見ると、先程まで倒れていたローブの男が身体を鳴らしながら起き上がったのだ。

「うそっ……梅花を食らって無
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