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仮面ライダーフレア Dragon Knight Apocrypha
Fire Bug Girl
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壮年の男性――アドベントマスターは優しい笑みを向けながら頷くと、少女はそのデッキを受け取った。

そして現在、彼女はあの時受け取ったアドベントデッキを見て、少女……『雛罌粟烈火(ひなげし・れっか)』は一人呟く。

「まったくアドベントマスターもお人が悪い。こんな私に力を授けてくださるなんて」

烈火は少し浮かない顏をしながらため息をついた。
自分を認めてくれるアドベントマスターに不満はないが、こんな"問題"のある私にライダーという力を渡した事に少し不理解だった。
何故こんな私にカードデッキを、ライダーの資格を与えてくれたのか……。
そんな答えの出ない問いを頭の中で巡らせていると、中断させるかのように彼女の持っていた携帯端末が響き渡る。
端末を手にして、相手先を見てみれば……表記されていいたは、同じく仮面ライダーとなった仲間の名前だった。
烈火は通話を繋いで応答をする。

「もしもし?烈火です」

『烈火か?牙上だ、モンスターの討伐任務だが今すぐ来れるか?』

「ええ、大丈夫ですよ。場所は?」

『統京・A-13地区だ。急いでくれよ』

通話先の相手……牙上と名乗った男の声は、烈火にそう告げると、通話を切った。
情報端末を懐に再び仕舞うと、烈火は膝をついて立ち上がる。

「お勤め、まいりますか」

そう言いながら、烈火は一歩前へ踏み出し、そしてスカイツリーから飛び降りた。
統京を照らす摩天楼へとその身で淡い焔の光と共に烈火は飛びながら向かっていった。


〜〜〜〜〜


統京・A-13。
港にあたるその場所では、多くの野生モンスターが大量発生していた。
赤い体表に海星(ヒトデ)の意匠が入った人型モンスター・オーガシースターは海の底から這い出てくるように陸上へと乗りあがる。
空腹に飢えている彼らモンスターは身近にいる生き物を目掛けて喰らおうと歩き出す。
……そんな彼らの前に一人の男が現れる。

「なんだなんだ?モンスターの大量発生かよ」

黒い髪色にオールバックを決めたその男……『牙上海琉(きばかみ・かいる)』はモンスターを睨みつける。
彼は右腕をオーガシースターの前へ突き出し、手刀で構える。
その右腕の側面に牙型の空気の刃が生み出され、海はそのまま投げる様に腕を振るった。

「どっせい!!」

『ぎしゃああ!?』

鎌鼬の如く飛んでいった刃はオーガシースターを切り裂き、何体かを地面へ倒れ伏させてしまう。
海琉は続けざまに左腕に空気の刃を生み出して、それを再びオーガシースターへ投げ飛ばした。目に止まらぬ速さで飛ぶそれをモンスターが避けられるはずもなく、再び水気を含んだ身体を切り裂いた。
だが、暫くモンスターを狩ってはいたがあることに気づいて海琉は
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