第2話:思い立ったが凶日
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ともあるんだよね。だから占うオレがむやみ勝手に都合のいいように変えてしまうと色々ダメになっちゃうのさ」
「え、変わっちゃうの!?」
「まあね……ある意味、占いってのは占う相手と占ってくれる相手の真剣な契約だから。だからあやふやな事もいえないのさ。占うことを正確に読み取って、ちゃんと伝えなければいけない」
普段おちゃらけた雰囲気の彼が語る占いについての真剣さ。
その言葉に偽りはなく、真依は占いを行っている統人について少し見直した。
「でもって、まだまだ若造じゃ説得力ないしこんなものかー……やっぱり僕は真依ちゃんで慰められたい」
「どさくさに紛れてするなぁ!」
抱きつこうとする統人を、顔をつかんで阻止する真依。
いつもの日常が繰り広げられようとしていた……そんな時だった。
平和な日常を裂くように悲鳴が聞こえてきたのは。
「うわあああああああああ!!!」
「あれ、今のってさっきの起業家さんの声じゃ!」
「ありゃりゃ【その起業は今すぐやめたほうがいい】って言ったのに」
驚く真依の横では、やっぱりかと言わんばかりに苦笑を浮かべる統人。
大方、日向が今すぐにでも何かの起業をやろうとした結果なのだろう……。
そう推測した統人は先程彼から受け取った札束を手にしながら呟いた。
「さてと、受け取ったお代分は全部きっちりかっちり払わないと」
―――――
先程統人に占ってもらった日向夏樹。
その彼を取り囲むように鎧の兵士達・タロンが取り囲んでいた。
落ち葉の形にもスペードにも見える仮面をつけたタロンは剣を彼に突き付けている。
「な、なんなんだよこいつら!?」
タロン達は標的である日向を逃げられないように取り囲み、剣先を向けている。
頭上を見れば、そこには信号機にぶら下がる怪物の姿があった。
猿に似た外見、青い痩躯と長い尾を持ち、鋭い目つきが日向を捉えている。
猿のドラウ怪人……『モンキードラウ』は、日向に対して言い放つ。
『お前の死を以てお前を不幸にする』
「死ぬ……?俺が?嫌だぁ!まだ、まだ死にたくない!俺には夢が!」
『御託はいい……シャラァ!!』
モンキードラウはその両手を信号機から手放し、上空から襲い掛かる。
日向は決死の想いで避けるも、アスファルトの地面を砕け散るほどの腕力の余波が襲い掛かり、数メートルほど吹っ飛んで地面に叩きつけられてしまう。
激しい痛みと朦朧する意識が自身が死に近づいている予感を克明に実感させる。
「痛い……痛い……!」
『お前、不幸。お前もっと不幸にする』
迫りくるモンキードラウ、日向との距離をあと数メートルまで迫りつつある。
もはやこれまでなのか、日向が迫る死におびえる中、一つ
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