第1話:金色の出会い
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時味わった感覚が蘇る。
「一体なんなのよもう……あーもうやめやめっ!かんがえるのなし!」
自分の頬に手で叩いて気を付かせると、着替えて身支度を整える。
活発で運動が好きな彼女には少々邪魔に感じるほどの豊かな胸が露になる。
男子からは人気、女子からは嫉妬と羨望の目で見られて得なことはあんまりない。
むしろ買えるブラジャーの大きさが限られて大変だ。
「はぁ……また買い換えないと」
ため息をつく真依。
そんな憂う彼女を見つめるのは…一匹の小さな蜘蛛だけだった。
――――
とある街角にひっそり佇む喫茶・星詠。
そのラウンジでは豆を燻ぶる作業を行う大柄な壮年の男性……星詠仙一。
店長兼マスターでもある彼が長年やってる珈琲の準備を行っていると、店の奥にある二階の階段から真依が目を擦りながら降りてくる。
「おぉ、真依。おはよう、随分遅かったじゃないか」
「おはよう……お爺ちゃん…」
「そういやお前、お客さん待たせてるぞ」
「お客さん……誰なの?」
「ハロー、いい天気だね。かーのじょっ」
カウンター席の隅っこの椅子に座る、見知らぬ黒髪の青年。
彼は仙一が入れた珈琲を口に含んだ後、こちらに爽やかな笑顔を向ける。
「えっと誰……?」
「統人、御崎統人。よろしくね真依さん」
「あぁ、よろしく……ってあれ、私名前教えたっけ」
青年……御崎統人は二コリと笑みを返しす。
不審な男に訝しむ真依は仙一の基までやってきて訊ねる。
「昨日夜遅くになんでも気を失って倒れてた真依をソイツが連れて帰ってきたんだ」
「えっ……気絶していた?」
「お前も運が良かったの。うちの自慢の看板娘が危険な目に遭わなくて。それを考えたら統人は恩人のようなものだな」
「アハハ、こんなに美味しい珈琲頂けるなんて。なによりこんな美人と知り合えてよかったよ」
にっこりとほほ笑む統人に何とも言えない渋い顔をする真依。
どうせ下心あるのだろうと思い、そっけなく接していく。
「あの、助けていただいたのはありがとうございます。でももう私大丈夫なので」
「ああちょっと待って、まだ話が……!」
「いいですって!見知らぬ誰かに助けられるほど私弱くないんで」
「待って待って!あぁおじさんこれお駄賃!また来ますんで」
怒って出ていく真依と、それを追いかけていく統人。
取り残された仙一は飲み干された珈琲を見ながらひとり呟く。
「いやぁ、青春だなぁ。君たちの青春に善いことありますように」
―――――
「ちょっと待って!待ってね!」
「しつこいです、いい加減にしてください!」
追いかけてくる統人を自慢の走りで距離を話して
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