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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第20話:繋がるオモイ
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丁度終えた所だったのか、彼ら二人は黒鋼たちの視線に気づくとこちらへ近づいてきた。
「さっきの戦いはありがとうございます。俺は秋海洞威っていいます」
「俺はコイツの相棒で東国丸健多朗。おかげで未確認もデカブツのも倒せたし、いいことづくめだぜ!」
「へへっ、そりゃどうもー」
二人の褒め言葉に不愛想な黒鋼の代わりにファイが笑みを浮かべて受け止める。
威はあることに気づくと、健多朗に尋ねる。
「あれ、蒼真のヤツどこにいった?」
「そういや見かけないな。せっかく同じく戦った仲間なのに」
「蒼真?一体誰だ?」
黒鋼が聞きなれない名前を耳にして、二人に尋ねる。
それを聞いて威と健多朗の二人は答えた。
「雷堂 蒼真、俺達の仲間でG3-03の装着者です」
「この中じゃ一番の若手で、よく突っ込む俺達のサポートをしてくれるいいやつだ」
二人の説明を受けて、黒鋼は先程の戦闘の時、拘束されていたディケイドを解いたり、サガの補助をしてくれたG3の事を思い出す。
自分のような前線に出て戦うようなタイプではなく、冷静ながら物事に関して対処しているという印象を黒鋼は感じた。
そんな会話をしていた威と健多朗へ絵里衣が怒りの籠った口調で声をかけた。
「威、健多朗、お前達は雷堂を見習いなさい!」
「なんなんだよ!俺達が悪いってのか!?」
「いつもいつも無暗に前へ出て戦って!フォローしなくちゃいけない側になりなさい……雷堂の爪の垢飲ませてやりたいわ!」
「いやいやいや、俺達だって考えて行動しているから!」
今にも殴り掛かりそうな勢いで迫る絵里衣から逃げる様に威と健多朗は彼女から離れていく。
仮にも警察組織の人間でありながら騒がしい様子を見せる彼らに、北条はため息をつく。
「我々にとって頼もしいのは認めなければいけないところですが、彼らがいた昔以上にやかましいですね」
「ははは……あれでもG3の装着者としては正義感があって頼りがいがあるのですけどね」
北条の皮肉も聞く暇もなく慌ただしく駆け巡る三人……そんな彼らの姿を尾室は苦笑いで見ていた。
士達……特に士とユウスケはかつて巡った【アギトの世界】で見た"仲間の絆"とG3ユニットの仲の良さを感じ取り、生暖かく見守っていた。
その後、士が一条へと話しかける。
「ところで一条さんだったか?妙な羽根のようなものについて聞いたことないか?」
「羽根だって?」
「ああ、俺達の仲間のどうしても取り戻したいヤツがいてな。とりあえず当面の目的はその羽根探しだ。噂でもなんでもいい」
「なるほど。君達がそれを探しているのはわかった。一つ心当たりがある」
一条は士達にそう告げると、手帳を取り出してメモの内容を見せた
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