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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第15.5話:旅人のデート
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がり、コーヒーカップから出ていく。

「おれ、飲み物買ってきます」

「私、ここで待っているね」

「はい、では行ってきます」

小狼はサクラの元から離れ、自販機の元へ向かった。
その間、小狼は心の中でサクラの事を思っていた。


(……けど、サクラはおれにとっての、一番の大切な人だ)

(それは今までもこれからも、変わりはしない……)

(この世界での戦いは今まで旅してきた世界とは違う……)

(もしかしたら、姫にも危ない目を遭わせるかもしれない)

(それでも、おれはサクラの羽根を……記憶を取り戻す)


……小狼が考えていたのは、サクラの事。
この世界にはネオライダーと怪人という驚異が潜んでおり、共に自分達にとっては危険な存在だ。
今でこそライダーの力で張り合えているが、サクラの羽根になる手がかりは未だに掴めていない。
この世界の誰かが悪用するために隠していあるのか、それとも……。
どちらにしろ、サクラの羽根を手に入れるためには戦い続けるしかない。

―――そんな時だった、見知らぬ人とぶつかったのは。

「おっと」

「すいません!」

「ふむ、初対面で口だしするのは失礼ながら言わせてもらう」

ぶつかった人物……フードを目深に被り、ところどころに傷が見られた服装を着用しているその青年は、小狼の眉間に指をさした。

「考え事をしながら走るなんてよくないぞ。眉間に皺が寄ってる」

「あっ……」

「とりあえずだ。考え事するなら喫茶店でお茶するなりして、止まって考えろよ。今後の参考にしな」

青年は小狼へそう言いながら、彼の元から去っていく。
小狼は呼び止めようとするがその青年は人混みの中へ姿を消えていった。

「なんだったんだ、あの人」

小狼はもうそこにはいない謎の青年の背中を見つめるしかなかった。


―――――


小狼とサクラが遊園地を楽しんでいく頃。
とある場所にて、一人の仮面の戦士の複数の怪人相手に戦っていた。

「ハッ!」

「ぐあああああっ!!」

仮面の戦士は飛び蹴りによる必殺の一撃を怪人達へと叩き込んだ。
怪人達は爆発し、その場から消えていく。
後に残ったのは、仮面の戦士……もとい、仮面ライダーただ一人。
その仮面ライダーは自分が手にしているものへ視線を落とす。
それは、【自分がいた世界】にて手に入れた謎の力……。

「……一体何なんだ?これは?」

―――その手には、記憶の羽根が握られていた。
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