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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第15.5話:旅人のデート
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味わった。
やがて搭乗口に戻り、ジェットコースターから降りた小狼とサクラは感想を言い合う。
「凄かったですね」
「うん、あんなに早いなんて!」
あまりの速さに凄かったのか少し疲れ気味の小狼と比べ、対照的にサクラははしゃいでいるように見えた。
次に二人が向かったのは、コーヒーカップだった。
ジェットコースターより人が並んでなかったせいか、すぐに自分達の手番へやってきて、ティーカップ型のベンチに乗り込んだ。
並んでいた客が乗りこむと、ティーカップのアトラクションが動き出した。
周囲のが回る中、サクラが小狼に話しかける。
「ねぇ、小狼君。少しお話いいかな」
「なんでしょうか。姫」
「えっとね……その……」
サクラは言葉を詰まらせながら、小狼へ質問を投げかけようとする。
しかし、いざ言うと言いよどむ……。
暫し逡巡すると、サクラは意を決して口を開いた。
「しゃ、小狼君って好きな人、いるかな……」
「……!」
サクラの言葉を聞いて、小狼の口元がハッとなる。
見方を変えれば驚いているにも見える表情をしているであろう小狼はサクラの顔を見る。
少し頬を赤くして恥ずかしがっているサクラの顔が視界に映った。
「……いますよ、おれにも好きな人は」
「い、いるんだ……そっか、いたのね」
小狼の言葉を聞いてサクラは一瞬ビクッと身体を跳ね上がらせると、戸惑った様子を見せる。
しどろもどろになっていく様子の彼女を、ただ生暖かく見守る小狼は、何処か悲しいものを隠した笑顔で答える。
「でも、もう会えないんです」
「そ、それって玖楼国にいた人なの?」
「まあそうですね……おれの大切な人ですよ」
「そ、そうなんだ……」
サクラは肩を落とし、顔を下へ俯かせる。
それを見て、小狼は続きを語っていく。
「だけど、今は姫の事も大事な一人と思ってます」
「……ッ!!わ、私も!?」
「はい、姫も、ファイさんや黒鋼さんにモコナ、それにこの世界で出会った士さん達だって大切な仲間なんですから」
小狼はサクラに向けて暖かい笑みを向けながらそう口にした。
―――今まで旅してきた自分の旅の仲間達
―――自分達と同じく、様々な世界で旅を続ける人達
―――そしてこの世界で出会った人達
小狼にとっては、大事な人なのだ。
その言葉を聞いたサクラは少し考える仕草をした後に小狼へと言った。
「そっか、そうだよね。変な事聞いてごめんね?小狼君」
「こちらこそ満足できた答えができたのなら幸いです」
「うん!ありがとう!」
サクラは感謝の言葉を小狼へと告げる。
そうして二人が話をしているうちにアトラクションが終わる。
二人もベンチから立ち上
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