第32話:勇者の計算外その7
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も思ったか。
笑わせてくれるよ。お前は最高のハーレムを作るまでのつなぎでしかないんだからさ。
カウンターに金の入った革袋が置かれる。
量でいえばそこそこありそうだ。
値段なんてどうでもいい。
奴隷になってどこかで壊れてくれればそれで満足さ。
「後のことはよろしく」
「ありがとうございました。またのお越しを」
リサを連れて店を出る。
セツナperspective
私達はフラウから貰った妖精の粉を使って城塞都市ラワナへと急いでいる!
……筈だった。
「ん?あれは?」
ツキツバが発見したのはただの馬車……
じゃない!
「あれはもしかして」
「奴隷商の馬車だ」
奴隷は2種類に分けられる。
罪を犯した者と売られた者だ。
基本的に犯罪者は一般市場には流れない。そう言う奴らは鉱山などに押し込まれ強制労働させられる。
で、もう1つが金に困って家族などを売り払うケースだ。
実はこっちの方が圧倒的に多い。
だが、実際は3つ目が存在する。
公然の秘密とも言うべき、攫った者達を裏で売買する手段だ。
これについては各国取り締まってはいるが、それは表向きだけである。
オークションなどをみればそれがよく解るだろう……
で、私は結局、その馬車を襲い、奴隷商人を叩きのめしてしまった。
「どうして奴隷に……」
「セインに捨てられたのです。レベルの高い聖職者を見つけたので、お前はもう用済みだと売られてしまいました」
私が勝手に開放してしまった奴隷の口から出たあの忌々しい外道の名。
それを聞いて、ノノが即座に反論する。
「そんなの嘘だ!」
だが、そこに理論的な物は無く、ただの感情論に思えた。
それを知っていながら……ユーミルが彼女の頭にあの液体をかけた。
体がぼんやりとピンクに光った。
間違いない。彼女も洗脳されている。
「お前はセインに洗脳されている」
「……そうでしたか。薄々そんな気はしていたんです」
ネイと同じ反応だ。
彼女も違和感を覚えていたらしい。
懐から最上級解呪薬を取り出した。
「これで洗脳は解ける。飲むかは自分で―――」
目にも留まらぬ速さで小瓶をかすめ取り、男らしく親指で栓を開けると一気に飲み干す。
「うぎっ!? あがっ!??」
「大丈夫か!?」
「うぎゃあぁぁあああああっ!」
頭を抱え身をよじる。
ネイの時と同じだ。
が……
「せぃいいいいんんん、よくもこの聖職者である私に舐めた事してくれたわねぇええ」
あれ、なんか違うぞ?
目が据わってる。
めちゃくちゃ殺気がにじみ出ているんだが。
もしかしてずっと……本性隠してましたか?
セインperspective
「あれよ」
「……ふぅん」
酒場の隅に女がいた。
深くかぶったフードから覗く整った容姿。
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