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おぢばにおかえり
第八十三話 回廊ひのきしんその四十

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「僕はそこまでなんですよ」
「嫌うのね」
「そうなんです」
「物凄く間違った考えね」
 ある意味新一君らしいとは思いました。
 ここで教祖殿の前に来たので三人で手を合わせて参拝をしてまたひのきしんをさせてもらいましたがやっぱり新一君に言いました。
「そうした考えはよくないわよ」
「人の心を見ることはですか?」
「違う話ヨ、幾ら問題のある人でも」
 それでもです。
「餓鬼だとか思うことはね」
「よくないですか」
「そもそもおみちにはないし」
 餓鬼という存在自体がです。
「また違う宗教でしょ」
「仏教ですね」
「教祖様も信仰されてたけど」
 このことは教典にもしっかりと書かれています。
「それで私も仏教の人とお付き合いあるけれど」
「お寺の人とですか」
「お坊さんとね」
 もっと言えば神社の神主さんともです。
「同じ宗教のお家としてね」
「仲いいですか」
「よくしてもらってるわ、けれどおみちではね」
 あくまで、です。
「餓鬼はいないから」
「餓鬼道自体がないですね」
「地獄極楽はこの世にあるっていうのがね」
「おみちの考えですね」
「死ぬことは出なおしと言って」
 そうしてです。
「また生まれ変わるのよ」
「おみちではそうですね」
「仏教は六道があるけれど」
「死んだらそれぞれの世界に生まれ変わりますね」
「極楽に」
 まずはこの世界があってです。
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