第三十六話 猛訓練その六
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「若し暴力を振るうことを厳しさと思うならな」
「それ絶対に違うだろ」
レオも思うことだった。
「どう考えてもな」
「そうだ、それは違う」
その通りというのだった。
「注意はいいがだ」
「怒鳴ったり罵ったり殴ったり蹴ったりな」
「暴力は駄目だ」
「こうした時もな」
「だから私も監督はしているけれどね」
ビルトップも言って来た、上下共濃紺のジャージである。
「怒鳴ったりしていないね」
「そうですね」
ジム=カーターもその通りだと答えた。
「管理官も」
「そう、警察官もね」
「暴力は駄目ですね」
「戦おうともね」
「戦うことは法律や理性に基づいているならです」
「武力だよ」
「武力は誰かや何かを守るものです」
ジム=カーターもこう認識している。
「ですから」
「用いるべき時はね」
「用いないと駄目ですね」
「そうだよ、けれど暴力はね」
「感情や特権の赴くままに振るいますね」
「悪意とかね」
そうしたものに基づいてというのだ。
「振るうものでね」
「絶対に許してはいけないですね」
「犯罪だからね」
ビルトップはこうも言った。
「だからだよ」
「尚更ですね」
「暴力はね」
「振るってはいけないですね」
「若し振るっている現場を見たら」
その時はというと。
「私達は動かないと駄目だよ」
「絶対に」
「通報を受けてもね」
「事実だと確認すれば」
「動かないと駄目だよ」
その場合もというのだ。
「暴力は許してはならない」
「そうしたものですね」
「絶対にね」
「私達はその暴力に打ち勝つことよね」
エリはビルトップ達の言葉を聞いて言った。
「何があっても」
「否定してね」
「私達の力は暴力じゃないから」
「武力と暴力は違うよ」
ビルトップは確信を以て言い切った。
「断じてね」
「そうよね」
「武力は誰かを守って無益な戦いを止める力でね」
そうであってというのだ。
「そこには理性や法律があるんだ」
「私達にだってね」
「正義を愛し自分を律する心もね」
それもというのだ。
「備わっているものだよ」
「しかし暴力は違いますね」
天知は今も白衣である、彼はジャージは着ない主義の様だ。
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