第三十六話 猛訓練その五
[8]前話 [2]次話
「どうもね」
「そりゃまたどうしてだ」
「どうしてかはわからないけれど」
それでもというのだ。
「そうなるんだ」
「理由はわからなくてもか」
「どうもね」
「誰もが何かとあるものだ」
オラディンは仲間達の話を否定せずに述べた。
「魂のことでもな」
「そうですね」
マブシーナは父のその言葉に頷いた。
「自分自身が知らないうちに」
「そうだ、しかしだ」
それでもというのだった。
「それは悪いことかというとな」
「違いますね」
「それもまたよしだ、私自身だ」
「何かとですね」
「魂から思い浮かぶことがある」
そうだというのだ。
「時々でもな」
「だから否定されないのですね」
「むしろ肯定している」
そうだというのだ。
「私はな」
「左様ですか」
「そうだ」
「私もそうですが」
「悪いことではない」
「おかしなことでもないですね」
「全くな」
娘に言うのだった。
「だから気にしなくていい」
「わかりました。それで皆さん宜しいでしょうか」
マブシーナは父の言葉に頷いてからだった、そのうえでよく冷えたスポーツドリンクを多く出して戦隊の面々に声をかけた。
「水分も採って下さいね」
「激しい運動をしているから」
「はい、よくです」
宇佐見に答えた。
「飲んで下さい」
「そうしないと駄目よね」
「訓練中に飲んでいけないとはです」
その様にはというのだ。
「言ってはいけないです」
「そうだ、水分補給はしっかりとだ」
朝加も言ってきた、それも熱く。
「採らないと駄目だ」
「そうですよね」
「さもないとだ」
朝加はさらに言った。
「脱水症状にもなるし熱中症にもだ」
「なりますね」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「よくな」
「飲まないと駄目です」
「激しいトレーニングをしているからこそな」
「しっかりとですね」
「水分を採れ、そして訓練中注意はいいが」
「怒鳴ったり罵ったりね」
宇佐見は眉を顰めさせて述べた。
「ましてや殴ったり蹴ったりは」
「絶対にしては駄目だ」
ここでも熱く言うのだった。
「何があってもな」
「暴力厳禁ね」
「そうだ、激しい訓練をしてもな」
「厳しくてもね」
「暴力は厳しさとは違う」
これ以上はないまでに強い声で言い切った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除