第百四十七話 文化祭開催その七
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「一脈通じるって人いるし」
「そっちも煮てるの」
「文章とかは違ってもね」
「二人共読みやすいけれど」
「芥川は作品によって文体違うから」
候文で書いた作品もあるのだ。
「一概に言えないけれど大体そうね」
「読みやすいわよね」
「そうだけれどやっぱり違うし」
文章はというのだ。
「そうだけれどね」
「それでもなのね」
「作風もそう言われていて」
「似てるわね。お二人」
「それでそう思えるのはね」
「太宰が芥川を尊敬していて」
「一生ね、それでその人生をね」
芥川のそれをというのだ。
「太宰は意識してなぞったところがあるから」
「尊敬するあまり」
「それで自殺したのもね」
「芥川の影響ね」
「お姉ちゃん言ってたわ」
「そうなのね」
「学生時代に芥川の自殺知って」
そうしてというのだ。
「衝撃受けてね」
「作家はこうして死ぬべきだって言って」
「自分も作家になったしね」
そして芥川賞を何としても受賞しようとした、まるでそれが芥川本人に認められることだと思ったかの様に。
「それでね」
「自殺したのね」
「そうかもね」
「太宰はそうなのね」
「そうかもね」
「尊敬する人の人生をなぞって」
そうしてとだ、ケニアの娘は考える顔になって言った。
「同じ作家さんになって」
「同じ様に自殺したのよね」
「それじゃあね」
富美子に深く考える顔で話した。
「太宰は幸せだったのかしら」
「どうかしらね、まあもてたけれどね」
「太宰も」
「やっぱりイケメンだったからね」
「そのことも芥川と同じね」
「お顔のタイプは違うけれどね」
それでもとだ、富美子は話した。
「二人共イケメンだったことは確かよね」
「頭がよくて」
「しかも太宰っていいお師匠さんとお友達いてくれたしね」
「そうよね」
「芥川もだったけれどね」
彼の師は夏目漱石だった、そして菊池寛といった友人もいた。
「それで太宰も」
「お師匠さんは井伏鱒二よね」
「それでお友達は檀一雄でね」
「お二人がいて」
「しかも実家がね」
「大地主だったのよね」
「政治家さんでもあるね」
富美子は太宰の家のこのことも話した。
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