コネクト〜ニナ、シェリド公太子〜
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜駅前通り〜
駅前通りに到着すると駅前通りの一角で女性のストリートミュージシャンがギターを演奏しながら歌っており、ミュージシャンの周囲には観客達が手を叩きながらミュージシャンの演奏や歌を聞いていた。
(へえ、噂になるだけあるな。だが、あの娘は…………)
ミュージシャンを見つめてあることに気づいたヴァンが考え込んでいると歌と演奏が終わった。
「サンキューみんな、愛してるよ!またどこかで会おうね〜!」
「今日も良かったぞ〜!」
「新曲も早く聞きた〜い!」
「次も楽しみにしてるよ〜!」
そしてミュージシャンへのおひねりを置いた観客達が去った後、撤収の準備をしているミュージシャンにヴァンが近づいた。
「?今日はもう終わりだよ?」
自分に近づいてくる人の気配に気づいたミュージシャンは振り向いて不思議そうな表情で答えた。
「なかなかいい歌だったぜ、シングル出したら結構売れるんじゃねえか?」
「ハハ、ありがとうお兄さん。でも音楽の世界はそんなに甘くはないよ。この程度の曲なんていくらでもあるからね。そう簡単に売れるモンじゃないのさ。」
「ま、曲だけだったらそうかもな。どうして”本当の名前”で売り出さないんだ?お前んならいい線行きそうだが。」
「!…………ふふ、場所を変えましょうか。」
ヴァンの指摘によって自身の正体がヴァンに気づかれている事に驚いたミュージシャンは苦笑しながら場所を変える提案をし、人気のない場所まで来るとミュージシャンがヴァンに訊ねた。
「どうしてわかったんですか、アークライドさん?変装だけじゃなくて、声色も変えたつもりですけど…………」
ミュージシャン――――――サングラスを外して顔を顕わにしたニナは苦笑しながらヴァンを見つめて疑問を口にした。
「まあぶっちゃけもしかしたらと思ってカマをかけただけだが…………俺もスクリーンのお前さんしか知らなかったら完全に気づかなかっただろうな。サルバッドで何回も近くで話していたから、そのアドバンテージってヤツだ。」
「ふう…………私もまだまだですね。こういった活動で今まで誰にも気づかれたことはなかったから、油断もあったかもしれません。」
「以前からよくこんな事をしていたのか?」
「趣味半分、実益半分と言った所ですね。撮影の時は周りの皆がちゃんと演技だとわかっていて私のことを見ていますが…………さっきのような場合だと、誰も本当の自分を知らない環境の中で、まったく別の自分になれる…………なかなか面白いものですよ?もちろん演技の練習にもなりますし。」
「なるほど、確かにちょうどいいかもな。しかし演じるのが趣味とはねぇ…………さすがトップ映画女優ってところか。」
「あはは、
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ