コネクト〜ニナ、シェリド公太子〜
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ナージェの登場に驚いた後すぐに察したシェリド公太子にヴァンは苦笑しながら指摘した。
「恐れ入ります――――――アークライド殿がご一緒なのが最低条件ではありましたが。…………多少なりとも収穫があったならば何よりです。」
「フフ、本当に敵わないな、ナージェには。――――――礼を言うよ、ヴァン君。今宵は良い社会勉強になった。底の見えない君という人をまた少し知れた気がする。バーゼル市の件、成果に期待している。依頼者としてはもちろん――――――裸の付き合いをした仲としてもね。」
「まあ、依頼は依頼だ。せいぜい頑張らせてもらいますよ。」
そしてシェリド公太子を乗せたリムジンを見送ったヴァンは事務所に戻って行った。
2時間ほど前――――――
20:50――――――
2時間程前、アニエスは寮へと急行し、寮の前に到着すると立ち止まった。
〜アラミス学生寮前〜
「ふう、またギリギリになっちゃった。何とか門限には間に合ったかな…………?えっと、寮母さんと鉢合わせないようタイミングを見計らって…………ううっ、ヴァンさんの影響を受けちゃっているような…………」
(ようなも何も完全に影響を受けていますよ…………)
安堵の表情で呟いてから今後の予定を口にしたアニエスは気まずそうな表情を浮かべ、アニエスの呟きを聞いていたメイヴィスレインは呆れた表情で溜息を吐いた。
(…………頑張らないと。誰に流されるでもなく私の意志で。そうすれば、きっと――――――)
「――――――”返事”は決まったようですね?」
アニエスが決意を改めていたその時、ある青年がアニエスに声をかけてきた。
「…………はい、ヴァンさんからも改めて連絡があるかと思います。」
聞き覚えのある声に一瞬目を丸くしたアニエスは声に対する返事をした。
「それは結構――――――”では研修先も決まりですか。”」
「…………っ…………全てお見通しだったんですね…………あの人は――――――父はどこまで…………?それにあの場所…………"黒芒街"という所の在り方も――――――」
声の言葉に息を呑んだアニエスが振り向くと声の主――――――キンケイドがアニエスに近づき、近づいてきたキンケイドにアニエスは真剣な表情で訊ねた。
「報告書は都度お渡ししています。一応、目を通されているようですよ?あの場所については――――――フフ、まあ差し控えておきましょう。」
「…………やっぱり、父の采配なんですね。かつてない繁栄の果実の、熟れすぎた滴りを受け止める器…………群がる欲望や悪意を隔離して効果的にコントロールするための…………」
「バイト先の指南、だけではありませんか。…
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