暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第226話:もう一つの銀腕
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とした、次の瞬間…………

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 周囲に響く歌声。聞き覚えのある声で、しかしあり得ない筈の歌が聞こえてきた事に颯人のみならず響までもが歌が聞こえてきた方に視線を向けてしまった。

「え?」
「今のは?」

 2人が歌が聞こえてきた方を見ると、そちらから2本のエネルギーで刃を形作ったビームダガーと呼ぶべきものが飛んできた。それは真っ直ぐグレムリンとベルゼバブに直撃し、意表を突かれた攻撃にどちらもキャロルを確保しようとする動きを止めてビームダガーが飛んできた方を凝視した。

「何ッ!?」
「誰だッ!?」

 グレムリンもこの展開は予想していなかったのか、珍しく驚きの声を上げる。

 誰もが驚く中、颯人達が視線を向けた先には2人の女性の姿があった。1人は颯人の母親でもあるアリス。彼女は既にファウストローブを纏っており、スペルキャスターであるハーメルケインを何時でも吹ける様に構えていた。

 問題なのはその隣。マリアとよく似たシンフォギアを身に纏ったその女性は、決意を宿した目でグレムリン達を睨み付けている。

 その女性の姿に、グレムリンが絞り出すような声で彼女の名を口にした。

「お前は……セレナ・カデンツァヴナ・イヴ……!」

 アリスの隣に立っているのは、マリアの妹でありガルドの恋人でもあるセレナ。その体には白銀に輝くシンフォギアを纏っており、マリアのそれに劣らぬ輝きを放っていた。
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