暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第226話:もう一つの銀腕
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レムリンは警戒心どころか敵意を向けてくる颯人達に対し、まるで人を食ったような笑みを浮かべながら近付きキャロルを引き渡すよう迫った。
「僕らがここに来た理由、もう分ってるよね? その向こうに居るキャロルちゃん、頂戴♪」
まるでキャロルを物の様に言うグレムリンの言葉に、響が堪らず拒絶の言葉を口にした。
「ダメですっ! キャロルちゃんは渡せません!」
「ふ〜ん、そっか〜……それじゃあ、こっちに居るあの寝たきりのハンスって奴がどうなってもいいのかな〜?」
「うっ!?」
やはりと言うか、グレムリンは連れ去ったハンスを人質にキャロルの身柄を迫った。こうなると響には何も言えなくなる。彼女はキャロルを差し出す気はさらさらないが、かと言ってハンスを犠牲にするつもりも皆無なのだ。例え強欲と言われようとも、彼女はキャロルもハンスもどちらも助けたい。そんな彼女にどちらかを選べなどと言う話は酷であった。
どちらかを選べないと言うのは颯人も同様であった。彼もキャロルを守りつつ、ハンスも、奏と未来もどうにか助け出せないかと頭を働かせる。しかしこの状況は正直かなり苦しい。グレムリンは口八丁でどうにかなる相手出ない事は肌感覚で分かる。そんな相手との交渉は難しいものがあった。
――クソ……どうする? どうやってコイツ等を切り抜ける?――
今ここでキャロルを無理矢理連れ出そうとすれば、グレムリンとベルゼバブはその瞬間響きに襲い掛かる。最悪の場合そのまま連れ去られて新たな人質にされてしまう可能性も考えると、颯人としても迂闊な行動は出来なかった。
「さぁどうするの? 早く決めないと、ハンスって奴を見せしめにする事も出来ちゃうけど?」
答えに窮する颯人を嘲笑うかのようにグレムリンが急かしてくる。すると最悪な事に、今の発言を扉越しに聞いていたのかキャロルが医務室から飛び出してきた。
「か、返してッ! ハンスを、ハンスを返してッ!!」
「キャロルちゃんッ!?」
「あぁ、くそっ!?」
そのままグレムリンに掴み掛ろうとするキャロルを、颯人と響が咄嗟に掴んで引き留める。だがグレムリン達からすればキャロルの姿さえ見えればそれで充分であった。
医務室からキャロルが飛び出した瞬間、グレムリンは隣に立つベルゼバブに視線を向け顎をしゃくる。それを合図に、ベルゼバブは空間を繋げてキャロルを自分達の方に引き寄せようとした。颯人がそれに気付き、ウィザーソードガンを向けて妨害しようとするもそれはグレムリンが投げた剣により防がれてしまう。
「させるか!」
「それ!」
「ぐっ!?」
グレムリンが投げた剣は颯人を弾き、拘束が弱まった事でキャロルが一歩前に出てしまう。ベルゼバブがそんなキャロルの手を取り自分の方へと引き寄せよう
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