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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第九十九話 捕虜交換式前夜
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交換式の前面に出てくるとは考えにくいが…もしそうであっても大貴族達はどう考えるだろう…。

 「司令長官から命令書が電送されてまいりました」
俺とキルヒアイスの会話が終わった頃合いをみて、フェルナーが命令書を持って来た…これは…。
「キルヒアイス参謀長、各艦隊の司令官を集めるのにどれくらいの時間が必要だ?」
「二時間後には集合可能です」
「よし、一六三〇時にブリュンヒルトに集まれと伝えよ」


宇宙暦796年6月11日09:00
フェザーン星系、フェザーン軌道宇宙港、第一軌道ステーション、第一係留ポート、自由惑星同盟軍、
第十三艦隊旗艦トリグラフ、
ダスティ・アッテンボロー
 
 「閣下、本日一五〇〇時に帝国軍が入港すると宇宙港管制官から連絡を受けました。艦隊を哨戒第一配備とします」

”こちらにも連絡があったよ。哨戒配備?大袈裟じゃないか“

「念の為です。哨戒配備にしておけば、直ぐに戦闘配置に移行出来ますので」

”判った。だがくれぐれも軽はずみな行動は慎んでくれたまえ“

「了解致しました」

 何が大袈裟だ、部下に軽はずみな行動をさせない為に哨戒配置にするんじゃないか、まったく…。
「ラオ参謀長、艦隊に命令。全艦哨戒第一配備とせよ。尚、軽挙妄動は慎め、命令違反は軍法会議における極刑に処すると付け加えてくれ」
「極刑…了解です」
極刑…銃殺だ。これくらい言っとかないと本当に何をしでかすか分からない。
「艦隊に命令を発しました。ですが銃殺というのは…」
「参謀長、不心得者のせいでフェザーン回廊で両軍が戦闘開始、捕虜は戻らない…俺達はどうなる?」
「そうでした、迂闊でした」
軽はずみな事をすれば、ちょっと想像すれば大抵の者は理解出来る未来図が待っている……大スクリーンには戦艦から大わらわで飛び立つシャトル(往還機)が映っていた。各艦共に三交替での上陸を許可していたから、地上でも軌道エレベータの周りではこれから大混雑が生じるだろう。
「参謀長、宇宙港管制官に連絡してくれ、申し訳ないと」
「はい」
普段ならこの第一軌道ステーションも、民間船の発着に使われる場所だった。艦隊に所属するほとんどの艦艇は、臨時に増設された貨物船発着ステーションに係留されている。宇宙で同盟と帝国が落ち着いて話す場所がフェザーンしかないとはいえ、軍艦が邪魔者なのは明らかだ。
「戦争する場所じゃないのは確かだな、此処は」


10:00
フェザーン、自由惑星同盟高等弁務官府、
バグダッシュ

 「宇宙港周りは大騒ぎになっておりますな。フェザーンでは軍人は異質な存在です、フェザーン市民の感情を逆撫でする様な事は止めて欲しいものです」
トリューニヒト国防委員長は俺を見て呆れた様な顔をした。
「君も軍人じゃ
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