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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
 【第7節】はやて、暴走。コスプレ祭り!
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 そして、もちろん、はやて自身も今はパーティー用のドレスで着飾っていました。シグナムのドレスに比べれば、随分と落ち着いた色合いで露出度も相当に低い衣装ですが、それでも、普段の「八神提督」からはちょっと考えられないほどのオシャレで華やかな衣装です。
 ガゼボの側では、王家の三人を始めとして、みな思わず呆然となってしまいましたが、一拍おいて、アインハルトがようやく口を開きました。
「あの……陛下。提督は今、ちょっと、その……珍しく羽目を(はず)しておられるようです」
「あ? ああ……そのようですな」
 この状況には、さしものガイウス8世も困惑した表情を浮かべていました。
(実際には、ガイウス王は、はやてがあまりにも「今は行方不明となっている自分の妃」と(うり)二つだったので、それもあって言葉を失っていたのですが。)

「提督! 今、よろしいですか? もう映っているんですけど!」
 アインハルトが強い口調で言うと、はやてもようやく撮影を中断し、カメラに対して正面を向きました。
 それに合わせて、ガゼボの側でも、全員が席を立ち、はやての映像の側を向きます。
「あ〜。申し訳ありません、陛下。いきなり妙なトコロをお見せしてしもうて。私が今回の調査隊の指揮官で、八神はやてと言います」
「ああ。いえ、どうぞ、お気になさらずに。私がこの国の王、ガイウス・ティベリウス・アウグスタです。あなたのお名前は、アインハルト殿から幾度と無く(うかが)っておりました」
「そうですか〜。……ああ。それで、陛下。そちらへ実際にお邪魔する前にひとつ『大切なコト』をお訊きしておきたかったんですが……」
 はやてが真面目な顔をして、ぐっと身を乗り出して来たので、ガイウス王もふと神妙な面持ちになります。
「はい。何でしょう?」
「そちらへお(うかが)いするのに、私らは、仕事の制服とこういった服装と、一体どちらの方が()えですかねえ?」
《大切なコトって、そんなコトかよ!》
 カナタは思わず、皆々の声を代弁して(?)心の中でそうツッコミを入れました。

 ガイウス王も一瞬だけ(ほう)けてから、こう答えました。
「……ああ。今しも(うたげ)の準備を進めておりますので、皆さん、是非ともそのままの服装でお越しください」
 その返答に、はやては思わず歓喜の表情を浮かべます。
「だ、そうやで〜。シグナム〜」
「いえ! 私は……これは、さすがに着替えた方が良いのでは?」
 恥ずかしさのあまり、シグナムはもうほとんど涙目になっていましたが、それでも、はやては容赦しませんでした。
「いやいや。現地の王様が『是非ともそのままで』と()うておられるんやから、ここは(さか)らったらアカンて!」
「いや! しかし、この素肌率の高さはちょっと……」

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