暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
 【第7節】はやて、暴走。コスプレ祭り!
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うな状況となったのです。


 ザフィーラが(ひと)り、ガゼボの外に立って待ち構えていると、やがて、そこへヴィータとミカゲが飛んで来ました。
 訊けば、『八神提督が「実際に降りる前に、王様と少し顔を見て話がしたい」と言うので、後のことはもう一人の小隊長であるヴィクトーリアに任せて、二人で先に来た』とのことです。
 主に下町に展開した上陸部隊の面々は、ヴィータとミカゲに置き去りにされたオルドメイも含めて、じきに全員がヴィクトーリアの(もと)に集合することでしょう。

 そこで、まずは、アインハルトがガイウス王と王女らのことをヴィータとミカゲにも紹介し、続けて、ザフィーラが二人の同僚をガイウス王と王女らに紹介しました。
 ひととおりの挨拶が終わると、ミカゲはすぐに通信用のデバイスを取り出し、ガゼボの中央にあるテーブルの上にそれを設置して、ガゼボの東側の空間に大型の空間投影ディスプレイを準備します。
 そして、やがて上空の抑制結界が(はず)されると、ミカゲは八神家の独自ルールに従って、まずは音声回線だけをつなぎました。
「マイスター。映像回線の方も、今すぐつないで良いデスか?」
 すると、いきなりシグナムの慌てた声が聞こえて来ます。
「ちょっ! ちょっと待て! 今はまだ、つなぐな!」
 皆々の顔には思わず疑問符が浮かびましたが、そこで、はやては(かん)(はつ)を入れずに、いかにも楽しそうな声でこう答えました。
「え〜よ〜。今すぐ、つないでや〜」
「あ、(あるじ)はやて! それはあまりに……」

 ミカゲはちょっと困った表情でヴィータに問うような視線を向けましたが、ヴィータは何やら笑ってこう即答します。
「構わねぇよ。今すぐ、つなげ。多分、面白(おもしれ)えモノが観れるぞ」
 ミカゲがその指示に従うと、そのディスプレイには「相当に露出度の高い、真っ赤なパーティードレスで着飾った長身の美女」が映し出されました。
 もちろん、シグナムです。
 場所は、例の「巨大なウォークイン・クローゼット」の前、転送室の一郭(いっかく)で、はやては撮影専用のデバイスを駆使して、さまざまな角度からシグナムの立ち姿を()りまくっていました。
「いや〜。やっぱり、これぐらい身長(タッパ)があると、こういう服装が()えるな〜。私の背丈では、なかなかこうは行かんわ〜」
 どうやら、はやてはまだまだコスプレを()で足りなかったようです。(笑)

 無論、犠牲者(?)はシグナムだけではありませんでした。
 彼女の後ろには、色違いでお揃いの、妙に可愛らしい装飾過剰のドレスを押し着せられてしまったリインとアギトが『何故(どうして)こんなコトになってしまったのだろう?』と言わんばかりの愕然とした表情で、力なく立ち尽くしています。
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