【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
【第6節】状況終了。アインハルトの登場。
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からはるばる御出でになった客人を、我等ローゼンの民がどうして粗略に扱ったりするでしょうか。最初にただ一言、『ベルカから来た』と言っていただければ、我等とてあんな手荒な出迎えなどいたしませんでした!」
「あの、ザフィーラさん。こちらは、この国の国王、ガイウス8世陛下です」
「おお。これは失敬。申し遅れましたが、私は、ガイウス・ティベリウス・アウグスタと言います。この国の王として、この世界の盟主を務めさせていただいております」
「これは、わざわざ御丁寧に。私のことはザフィーラとお呼びください。〈夜天の王〉八神はやての許で守護騎士を務めております」
ザフィーラは、相手の「正式な名乗り」に、自分も「正式な名乗り」で返しました。
一方、アティア王女も当初は『お父様ったら、一体どこから出て来たのよ?!(怒)』という顔をしていましたが、「八神はやて」の名前を聞くと、またすぐに表情を変えます。
「アインハルト様。その『はやて』という方は……確か、先日のお話では、私たちの母と瓜二つだとかいう……」
「はい。実際に会ったら、きっと、姫も驚かれると思いますよ」
「おお! それでは、是非とも今すぐ、全員で王宮へお越しください。察するに、今、下町で騒ぎを起こしておられる方々も、みな、お仲間なのでしょう?」
ガイウス王は喜びの色も露わに、そう問いかけました。
「はい。御推察のとおりです」
ザフィーラが実に恭しい口調でそう応えると、ガイウス王はポンポンと手を打って、慎重に背後に控えていた侍従を呼びつけます。
「市内のすべての魔導師および兵士らに、急ぎ通達せよ。『闖入者らは、みなベルカからの客人である。礼を尽くして王宮までお連れせよ』と!」
その一方で、ザフィーラは、ふと空を見上げてつぶやきました。
「しかし、このままでは、転送ができんな。……陛下。この抑制結界は、もう外していただくという訳には参りませんか?」
「解りました。元より、相手に敵意が無いと解れば、無用の長物です。一度消すと再起動に時間がかかるので、今までは念のために張ったままにしておりましたが、すぐに外させましょう」
ガイウス王はそこでまた侍従の側に向き直り、こう続けました。
「抑制結界を解除するよう、急ぎ神殿に通達せよ。それと、今宵の予定を前倒しにして、西の大広間で急ぎ宴の準備を進めよ。失礼の無いよう、心してかかれ!」
「畏まりました」
「それから、今宵の宴に参加を予定していた貴族たちには、その理由を添えて『中止』の知らせを。これも、大急ぎだ!」
「ははっ!」
侍従は速やかに国王の命令を実行に移しま
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