【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
【第5節】三人の逃亡劇とその唐突な幕引き。
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手を固く握ったまま、飛行魔法を全開にして地面を蹴りました。三人の体は、高さが人の背丈の三倍ちかくもある壁を、かろうじて跳び越えて行きます。
しかし、その壁の向こう側にある一群の建物を目にすると、カナタもさすがに気がつきました。
カナタ《あれっ! ここって、もう王宮区??》
ツバサ《やはり、そうでしたか。》
カナタ《やはりって……知ってたんなら、事前に教えてヨ!》
ユリア(えええええ! わたし、飛んでる? 飛んでる! なんで? どうして?!)
ツバサ(そんなカナタの怒声とユリアの悲鳴を平然と聞き流しながら)
《このまま落ちると、植え込みの中に突っ込みます。カナタ、少し右手の、何やら空間が空いている場所に降りましょう。》
カナタ《何だか、必要な手順を幾つもスッ飛ばして来ちゃったような気がするんだけど……。ホントにこれで良いのかなあ?(ちょっと不安)》
三人の体は空中で不意に向きを変え、壁際の植え込みと植え込みの間にある数メートル四方ほどの空間へ自由落下よりも幾分かゆっくりとした速度で降りて行きます。
三人を追いかけて来た兵士や魔導師たちは、それをただ呆然と見送ることしかできませんでした。
理由はよく解りませんが、ずっと大昔から、ローゼンには「空を飛べる魔導師」など一人もいなかったのです。
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