【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
【第4節】運命の出逢い? ユリア、登場!
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んて解りませんし。》
「ええ。私たちの母は村でも少し変わり者でして。同じ名前の子が一人もいないようにと、わざわざ珍しい名前を選んでつけてくれたのだそうです」
ユリア「そうなんですか……。あ、でも、どちらも子音と母音が交互に並んでいて、何だかとても響きの良いお名前ですね」
ツバサ「ありがとうございます」
カナタ《なぁんだ。普通に社交辞令とか言える子じゃん。》
ツバサ《ようやく気分が少し落ち着いて来た、といったところでしょうか?》
ツバサ「それでは、ユリア。もう幾つかお訊きしてもよろしいですか?」
ユリア「……はい?」
ツバサ「まず、どうしてあんな危ないコトをしてまで逃げ出したりしたんですか?」
カナタ「て言うか、あそこは君の家なの?」
ユリア「いえ! あそこは、その……公爵様の、お屋敷です。昼食会に招待されて、侍女たちとともに出向いたのですが、実は、わたしの知らないところで、その……公爵様のお孫さんとの、軽い『お見合い』が仕組まれておりまして……」
カナタ「ええ〜っ! お見合いって……君、今、何歳?」
ユリア「今年で11歳になります」
ツバサ「私たちより一つ年下でしたか」
カナタ「この世(界では)……じゃなくて! 貴族の人たちって、そんな年齢でもう結婚しちゃうの?」
ユリア「いえ。結婚は法律で15歳からですけど、婚約なら10歳から可能なので」
ツバサ《その辺りは、古代ベルカと全く同じですね。》
「しかし、あなたが逃げ出してしまって、御実家の方は大丈夫なんですか?」
カナタ「逃げ出したくなるほど、嫌な相手だったってコト?」
ユリア「えっと。その……わたしの実家なら別に大丈夫です。相手も、その……決して悪い子じゃないんですけど……まだ10歳で、わたしに対しても、あまり興味が無い感じだったので、特に怒ったりはしていないと思います。それに……わたしも今日は、最初から『隙を見て逃げ出す』つもりで、自作のボードを内緒で持ち込んでいた訳ですから……ある意味、この状況は予定どおりと言うか、何と言うか……」
カナタ《なぁんだ。見た目より、ずっとオテンバなんだ。》
ツバサ「あのボードは、自分で作ったんですか?」(と、少し驚いた表情)
ユリア(とても嬉しそうに)「ええ! 実は、わたし、ああいうモノを作るの、得意なんです!」
ツバサ「それは、珍しい御趣味ですね?」
ユリア「ええ、よく言われます。(苦笑)でも、わたし、将来は魔導師用のデバイスとかも自分で組めるようになりたいんです!」
カナタ《……あれ? ちょっと待って、ツバサ。公爵って、中世の社会じゃ、すごく偉い身分なんじゃないの?》
ツバサ《そうですね。普通は、王家の分家に与えられるような爵
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